第七十八話
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時は流れ、10月。
まだアオ達はこの時間軸に滞在していた。
秋の連休を目の前にした日の夜、いつものように尋ねて来た甘粕は旅行の話を切り出した。
「日光ですか?」
「ええ。丁度日光の方へと出張がありまして、以前どこかへと旅行にと言う約束も有りましたので、この機会にと思いまして」
夕食時、いつものごとく訪ねて来た甘粕が皆と夕飯を囲みながら、自然な口ぶりでユカリたちを日光へと誘った。
「嬉しいです。あ、でも…あーちゃん達は…」
「ご一緒で大丈夫ですよ。どうですか?」
と、ユカリの言葉に答えた後、甘粕はアオ達を見渡した。
「俺は別に構わないよ」
「私も」
「わたしも」
「皆で旅行って久しぶりですね」
「そうだね、今回(生まれてから)はまだ…かな?」
と、皆それぞれ了承する。
「アテナも一緒に行かない?」
「妾もか?妾は別にそなたらと旅を共にする義理は無いが」
ユカリの勧誘にアテナは戸惑った。
「まぁ、良いじゃない。たまにはもう少し人間社会を勉強してみるのも。…それに、旅先には旅先でしか食べられれないご当地の地物の美味しいものなんかも有る物だしね」
「…ユカリがそれほどまでに言うのなら、行ってやらん事も無い」
「では、全員参加と言う事で。いやぁ、賑やかな旅になりそうですな」
アテナの返答を聞いて甘粕が全員参加と旅館の手配をしてくれた。
週末の土曜日。アオ達は簡単に旅支度をし、足りない物は現地で調達すれば良いと短時間で準備を済ませると、甘粕が用意したバンタイプの車に乗り込んだ。
座席は運転席、助手席を含め2−2−3−3−4の14座席の中型車のようだ。
甘粕の隣の助手席にはユカリが当然のように陣取り、後列の一列目にアオ、二列目は通路の関係上1−2に分かれており、お一人様シートにアテナ、二人掛けにソラとシリカ、その後ろになのはとフェイトと言った所だ。
さて、ここに来て何故甘粕が日光へと行く事になったのか。
その理由を語っておこう。
実は、万里谷祐理の妹、万里谷ひかりが若干12歳で親元を離れ、日光にある神社でお勤めをと日々熱烈に勧誘されているらしい。
しかし、年齢の事と仕事内容が不明瞭な事で不安に成り、悩んでいたひかりが相談したのはカンピオーネである草薙護堂だった。
相談された彼はひかりの事をどうにかしてやろうとまずその神社がどう言う仕事なのかを明瞭にし、あまりもの内容であるならばひかり自身が断れるようにと日光へと同行する事になった。
その時足を申し出たのが甘粕である、そこに便乗するように以前の約束の履行に丁度良いとアオ達も誘ったのだ。
…つまり、一番後ろの4人掛けの椅子には護堂を挟むようにエリカと、
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