第4章 聖痕
第38話 邪神顕現
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敬愛するジャンヌ・ダルクを護らなかった神と王に愛想を尽かしたから。
その王の名前は、シャルル六世です。
少なくとも、この世界ではシャルルは王位に即く事は有りませんでしたから。
そして、彼が水属性の魔法が行使出来ると思った最大の理由は……。
トリステインの古い水の使い手の一族と同じ苗字だったから。
まして、その特徴的な金髪と碧眼。確かに体格が違い過ぎますが、それは男性と女性との差と考えるなら、そう不思議でもない事。
そして、彼女と、この眼前の青年騎士に僅かながら面差しに似た雰囲気が有る事。
それに、今、思い返して見ると、モンモランシーの動きにも、多少の違和感のような物も有りましたから。
ギーシュくんとシェスタがぶつかった時に感じた精霊の不自然な動き。
フリッグの舞踏会の時に、誰も、ルイズと踊っていた俺のドッペルゲンガーを不審に思わなかったのに、彼女だけはそれを察知した事。
そして、最後は、昨日の不気味な薬。
あの妙な薬を飲まされていなければ、今夜の任務は、かなり厳しい任務と成っていたでしょう。
つまり、モンモランシーも、ジョルジュと同じような任務を帯びた存在だったと言う事。
まして、トリステイン貴族のモンモランシーの実家が治める領地とは、ガリア領と面していると言う話です。
それに、俺が知って居る地名。モンモランシー渓谷とは、間違いなく地球世界ではフランスに存在する地名の事です。
……トリステインに諜報組織が有るかどうか判りませんが、少なくとも、ガリアの諜報組織は優秀ですね。
しかし……。
「確かに、あの水龍は私の魔法ですが、あの土の精霊を纏った蟲は、私の配下の操った魔法では有りません」
俺の問い掛けに対して、誠実な騎士としての表情を見せながら、ジル・ド・レイがそう答えた。そして、その言葉の中に、ウソや偽りが含まれている雰囲気を感じる事は有りませんでした。
……と言う事は、あの緑のドレスの少女は、ガリアとは無関係だったと言う事なのでしょうか。
「それでは、あの最後の場面で俺とタバサを護ってくれたのは一体……」
ジル・ド・レイからタバサへと視線を移しながら、そう独り言を呟く俺。
しかし、タバサはふるふると首を横に振る。
これは、否定。おそらく、タバサもあの緑色のドレスを纏った黒髪の少女に心当たりがないと言う事なのでしょう。
ただ、あのカジノに何者かは判らないけど、人外の存在が居た事は確かですし、彼女以外に俺達を助けてくれそうな存在は居なかったと思うのですが……。
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