第4章 聖痕
第38話 邪神顕現
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で行く邪神。有りとあらゆる全ての存在を吸い込む次元に穿たれた穴。
音も、そして、光さえも吸い込み、全てを無に帰す最悪の次元孔。
しかし、そんな猛威も、五芒星に囲まれた範囲内のみ。そこを一歩でも離れた場所には、初夏に相応しい緑の木の葉一枚。俺やタバサの髪の毛一本すらそよがせる事もない。
正に、異世界の出来事。
そして……。
そして、永遠に等しい一瞬の間荒れ狂った最悪の次元孔が、出来上がった時と同じく、あっさりと消滅して仕舞う。
ただ、地上に隠しきれない破壊の爪痕は残して仕舞いましたが。
☆★☆★☆
タバサが開いた次元孔に牛角の邪神が消えた後、戦場となった場所から少し離れた地点に着陸し、その場に座り込んで仕舞う俺。
幾らなんでも、もう限界です。モンモランシー作製の薬の御蔭で妙に絶好調だったから走り抜けられただけ。体調が普段の状態だったのなら、流石に生き残る事は出来たとしても、おそらくあの邪神を強制送還するようなマネを今晩中に為す事は出来なかったでしょう。
そして、俺の傍らに同じように座り込むタバサ。折角のドレスが汚れて仕舞うのですが、これは仕方がないですか。
それに、タバサのイブニングドレスも、もう十分に煤に汚れ、あちこちが破れ、元々の姿からはかなり変わって仕舞っていますから、この上、少々土で汚れたとしても意味がないでしょう。
やがて、最後の場面で邪神を捕らえていた三柱の式神達が近付いて来て、俺の護衛役と成る。
もっとも、現状では俺とタバサは一蓮托生唇歯輔車の関係なので、俺を護るイコール、タバサを護ると言う事に成るのですが。
そして、次に現れた登場人物も、煤に汚れ、更に、貴族に相応しい服装が異常に泥に汚れた状態で有った。
そう。西百合騎士団副団長と名乗った青年騎士ジル・ド・レイが、俺……ではなく、おそらくタバサの方に近寄って来たのでしょうね。
先ず、身長に関しては、間違いなく180以上。髪の毛は、癖のない金髪。瞳は碧眼。もっとも、トリステインのグリフォン隊々長のワルドが髭を生やしていたのに対して、彼は髭などを生やしてはいませんでした。
ただ、現在の時間帯から来る彼自身の好調さと、彼の一族の特徴で有る人成らざる者の特殊な威圧感。そして、時折見せるその視線の強さは、並みの人間ならば、瞬間に戦意を消失させる事が可能だと思わせるに相応しい物で有りました。
しかし、ガリアには、あの種族の貴族が多く存在しているのでしょうか。
座り込んでいた俺とタバサが、立ち上がってジル・ド・レイを出迎える。
但し、当然にように、彼が敵だと思って対処し易いように立ち上がった訳では無く、先ほどの援護に対しての礼を告げる為に立ち上が
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