第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第五章 オレンジギルド
第35話 覚悟
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や、ヤバイ! この感じ、やっぱり温泉の時の! ………と、思う同時くらいに、シリカが俺の右腕に抱きついて、肩に頭を乗せてきた。
「シ、シリカ!」
「……シュウさん、覚悟を決めろって言いましたけど……あたし、覚悟ならもう出来てるんですよ? じゃなかったら、結婚なんてしませんよ。……だって、本気でシュウさんの事が好きなんですから…」
「……ッ!!!」
このシリカの言葉は、本当だ。絶対ウソじゃない……1年以上一緒にいるから良く分かる。……それにもし一緒にいなかったとしても、こんな行動をとられたら誰だって否定出来ない。
……何やってんだよ、俺は!
覚悟が足らなかったのは俺のほうだ。恥かしいからって毎回毎回……何やってんだ…。
そりゃあ、すぐには無理だけど……俺も、もっと覚悟を決めていかないと、なぜだか分からないけど……とても今結婚して一緒にいてくれてるシリカに失礼な気がする。
「……シリカ、悪かった。そんな事も知らずに……。でもあんな事言ったけど、すぐには……せめて腕を組むくらいから……」
「……良かったです」
「…………は?」
お詫びを言った後、シリカに俺の本音を言ったら、シリカの口から予想もしてないセリフが出てきて、つい間抜けな声を出してしまった。
「シュ、シュウさん、ごめんなさい。……あたしもあんな事言った後なんですけど……その……やっぱり、シュウさんの言葉を聞いてるうちに、いきなりは無理だな〜って、自分で思ってしまって……あはは」
そうやって俺の腕から離れて、理由を話してくれたシリカ。
それを聞いている内に俺は、リズが昨日言っていた台詞を思い出していた。
『……でも、偶に似ている所もあるのよね。う〜ん……やっぱり、兄妹なんじゃない?』
この台詞の意味が分かった。……なんとなくだけど、今のシリカは俺に似ていた気がする。とくにテンパった時とかに、後先考えずに言った言葉に対して謝るところとか…。
そんな事を少し顔を赤くしながら話すシリカを見ながら感じていると、《索敵》スキルで再び俺達の後ろに怪しく近づいてくるプレイヤーがいることに気付く。
なので立ち上がり小声で、
「シリカ、そろそろ行くぞ」
と言い、歩き始める。
シリカもその後に付いてきたと思ったら、再び俺の右腕に抱きついて、腕を組んできた。
「シ、シリカ!」
「……腕を組むのは良いんですよね?」
「で、でも俺たちは兄妹っていう……」
「今、あたしは『ケーコ』ていうプレイヤーですよ〜」
シリカの方を向いて意見をすると、ドヤ顔でそう言ってきた。
……そこまで言われると、何も言い返せない!
「分かったよ…」
そう言って、俺は諦めて歩きながらキリトに待ち合わせ時間をメッセージで送る。
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