第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第五章 オレンジギルド
第35話 覚悟
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シュウさん!」
と声をかけられ、体が『ビクッ!』と無意識の内に動いてしまい、シリカの前に紙を落としてしまった。
そして、不思議そうにシリカはそれを拾い、俺の反応が気になった為か、その紙の内容に目を通すと……
「−−−−ッッ!!!」
俺と同じように顔を凄く赤くさせた。
……あ、あの反応って……も、もしかしてシリカ、最後の意味も分かったのか……?
「シ、シリカ、違うんだ。それはアルゴに渡されて……」
「わ、わわ分かってますよ! ぶ、文を読めば!」
「そ、そうか………ち、ちなみにPSの意味は……」
「……げ、現実世界の友達にこういうのに詳しい子がいて……い、意味くらいなら……」
……やっぱり、分かっていたらしい…
「……………」
「……………」
や、ヤバイ……とりあえずあの内容の事より、この空気を何とかしないと……。
「ま、まぁ、とりあえず移動しようぜ」
「そ、そうですね」
シリカも俺と同じように感じてたのか、誤魔化すように歩き出した俺の後ろに、すぐさま付いてきた。
そのあと少し街の中を歩き、気持ちを落ち着ける為に街にあった、人気の少ないベンチに座る。
……すると暫くしてから、俺の隣に座ったシリカが俺と同じく少し落ち着いたのか、
「……シュウさん、さっきは取り乱してすいません」
と俺の方を向いて、俺の目をしっかりと見て言ってきた。
なので俺の真剣に返事を返す。
「いや、俺こそ悪かった。……年上なのにシリカよりも取り乱しちゃって…」
「……あはは」
そんな謝る俺を見て、シリカは口を押さえながら小さく笑う。
…何が可笑しかったんだ?
「どうして笑うんだよ…」
「ごめんなさい。……でも、さっきまで焦っていた自分が可笑しくて……だって初心なシュウさんが、そんな事できるはずがないですもんね…」
笑いながらそう言うシリカ。実際その通りかもしれないけど、男としてなんか少し腹が立った……なので、
「……そんな事ないかもしれないぞ」
とシリカに、いかにも本気そうに言った。
「……本当ですか?」
俺の言葉を聞き、シリカが疑いの眼差しを向けてくる。
……まぁ、恥かしくて腕も組んで歩いた事もないし、疑うのも当然か…。
でも、言ったからには引き返せない。男として。
「あ、ああ、だから覚悟しとけよ。もしかしたら、あるかもしれないぞ」
「覚悟……ですか」
そう呟いてから、シリカは俯いて黙り込む。
……あれ? この感じ、前にどこかで……確か、あれは…………ハッ!
俺はある事に気付き、再び良く俯いたシリカの顔を見る。
顔を赤くしながら、服を握り、何かを小声で呟いていた。
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