第百三十四話 石破天驚拳!師弟の最終奥義
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第百三十四話 石破天驚拳!師弟の最終奥義
香港へ向かうロンド=ベル。その話はウォンの元にも入っていた。
「また面白い趣向ですね」
彼は自身の高層ビルの執務室にいた。そこでチョコレートを食べながらマスターアジアと話をしていた。
「貴方らしい」
「そろそろだと思ってな」
「ほう」
マスターアジアの言葉に面白そうに眉をあげる。
「それはどういうことですか?」
「決着をつける時なのだ」
彼は言う。
「あ奴とな」
「まあ私にしてはいいことです」
ウォンにとってもこれはいい話であった。
「ロンド=ベルの力をそのまま己がものとできれば世界どころか宇宙を手に入れることも夢ではありませんか」
「宇宙をか」
「はい」
彼はニヤリと笑って答える。またチョコレートを食べる。
「そうです、宇宙を」
「わしには興味のない話だな」
「では貴方はやはり」
「そうだ」
毅然として答える。
「この地球を本来の美しい姿に戻したい。それだけだ」
「まあそれもいいでしょう」
これといって話に口を挟んだりはしなかった。
「綺麗にこしたことはないですからねえ」
「それでじゃ」
「何か?」
「あの二人の姿が見えぬが」
マスターの目が光った。
「どうしたのじゃ?」
「少し出張中です」
「出張じゃと」
「はい、ホーチミンにね」
かつてサイゴンと呼ばれた街である。
「そこに」
「何の用だ」
「宜しければ貴方も行かれてはどうでしょう」
ウォンは彼にも述べてきた。
「戦いまでにはまだ時間がありますし」
「ふむ」
「如何でしょうか」
「わかった」
マスターはその言葉を受けることにした。
「では今から少し遊んで来る。またな」
「ええ」
こうして彼もまたホーチミンに向かった。何かに導かれて。
ホーチミンはかつてはベトナムの経済の中心地であった。今は東南アジアで有数の大都市として知られている。今ロンド=ベルはそこでオーブ戦での整備と補給を受けていたのであった。
「ははは、どうだ!」
アルフレッドが一同に自分の手料理を振舞っていた。
「美味いだろうが!」
「ああ、これはかなりのものだな」
ナンガが生春巻きを食べて感想を述べる。
「美味い」
「そうだな」
それにラッセが頷く。
「このタレもな」
「そのタレが重要なんだよ」
アルフレッドの薀蓄がはじまった。
「ベトナム風に辛くやったんだ。それでナムプラーも入れてな」
「ナムプラーって?」
「タイの醤油さ」
勇がヒメに答えた。
「魚から造るんだ」
「そうなの」
「そうさ。匂いはきついけれど味はいいだろ」
「うん」
ヒメはその言葉に頷く。
「お魚さんから造る醤油、凄くいい」
「それはいいけれど凄い匂いだな」
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