第百三十二話 闇の帝王
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第百三十二話 闇の帝王
「さて、と」
京四郎は補給や整備を終え横浜に向かう大空魔竜の中で一人声を出した。
「そろそろだな」
「何かあるのか?」
「わかるだろ」
そう一矢に返す。
「時間だ。出て来るぞ」
「ってまさか」
それを聞いて豹馬が顔を曇らせる。
「あのおっさんか」
「そうだ。もう出て来るぞ」
「早く来いとか言うてやな」
十三が苦い顔を見せてきた。
「騒ぎ立ててやな」
「そういえばそろそろってタイミングね」
ちずるも顔も曇らせてきた。
「嫌な話でごわす」
大作だけでなく皆がそう考えていた。
「どうにかならないものでごわすか」
「難しいですね」
小介の返事は絶望的であったが真実であった。
「三輪長官は地球の連邦軍の半分を掌握していますから」
「しかし」
それに対してエイジが言った。
「だからといって権限が強過ぎないかい?言っていることも滅茶苦茶だし」
「皆そう思ってるさ」
彼に一平が応えた。
「けれどな。本当にどうしようもないんだ」
「それはどうして」
「岡長官が退いてね」
日吉が答えた。
「その後権限を滅茶苦茶に強化しちゃったんだ」
「何故」
「やっぱりバルマーとの戦いのせいでごわす」
大二郎も説明してきた。
「それに備える為で」
「しかし」
「御前が言いたいことはわかってるさ」
健一はそれでも言おうとするエイジに言った。
「けれどな」
「皆こまってるのよ」
めぐみも言う。
「あの長官には」
「あのアズラエルさんでもそうだしね」
ナナがぼやくように述べた。
「どうしようもないって」
「アラスカでのこと覚えてるだろ」
「ああ」
エイジは豹馬の言葉に応えた。
「俺達ごと壊滅させるつもりだったしな、敵を」
「あれは本当に驚いたよ」
エイジはあらためて述べる。
「地球にもあんな人間がいたって思ったからね」
「地球にも!?」
その言葉にさやかが反応してきた。
「ねえエイジ」
「うん」
「バルマーにもやっぱりああいうのいたんだ」
「あっ、知らなかったの」
「ええ」
さやかはそう答えた。
「バルマーっていうと俺達が戦ってるのはラオデキアとかマーグだからよ」
甲児がこう言ってきた。
「冷酷だけれどああした常識外のやつはな、いなかったな」
「そうだな。ユーゼスも卑劣だったが」
鉄也も言う。
「あの長官みたいなのはいなかったな」
「やはりバルマーにもああした手合いはいるのか」
大介は問う。
「うん、考えようによってはもっと酷いのがね」
「それは誰だ?」
「ハザル=ゴッツォ」
エイジは顔を歪めてその名を出してきた。
「あの男はかなり酷いな」
「どんな男なんだい、そのハザルという男は」
「バルマーの
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