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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第百二十六話 明けない夜
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サイがそれに頷く。
「前からそうだったけれど最近特に」
「牢の中でも相当荒れてるらしいね」
「ああ、ディアッカが言ってたね」
カズイとトールが続く。
「随分荒れて暴れかけたりで」
「だからよ。あの子大丈夫かしら」
「難しいだろうな」
サイはそれに応える。
「今の彼は制御が利かない。若しここで何かあったら」
「最悪の事態になるかも知れない」
キラはそれを聞いてポツリと呟いた。
「最近彼のことがわかるような気がするんだ」
「キラ・・・・・・」
「彼も僕と同じなんだよ」
「そうなのか?」
トールはその言葉にはどうにも賛同できかねていた。
「俺はそうは思わないけれどな」
「ううん、それってキラにしかわからないものなのかも」
だがミリアリアがそれをフォローする。
「はじめてガンダムに乗ってすぐに戦ってきた相手だから。違う?」
「そうかも知れない」
キラは俯いてそれに応じる。
「彼が僕をどう思ってるのかはわからないけれど」
「ザフトのトップエースか」
サイは上を向いてそれを言った。
「どうなるのかな、これから」
「けれどそれはさ」
カズイが突っ込みを入れる。
「俺達じゃどうしようもないよ」
「そうなんだよな」
トールがそれに頷く。
「俺達は何かを言うことはできるけれど最後に決めるのは」
「彼なのよね、結局は」
「誰だってそうなんだよ」
サイはそれをよく理解していた。
「最後に決めるのは自分なんだよ」
「自分・・・・・・」
「キラ、御前だってそうだったんだろう?」
サイは今度は言葉をキラに向けてきた。
「自分で皆を守るんだと決めてここに戻って来たんだろう?」
「うん」
キラはそれに頷いた。
「ラクス嬢に言われたけれどそれは自分で決めたよ」
「それと同じなんだよ、結局は」
サイはまた言う。
「誰だってさ。俺達だって皆ここで戦うって決めて今ここにいるし」
「そうだよな。俺一度は去ろうって決めたけれど」
カズイには強く思い当たる話であった。
「やっぱりさ」
「そうなんだ。結局最後は自分で」
「決めるしかないんだね」
「ああ、御前と同じさ」
「シン・・・・・・」
キラは最後にシンの名を呟いた。ベルリンに今自由の天使と運命の天使が舞おうとしていた。あがらえぬ運命に束縛された少女を自由の剣で解放する為に。今彼等は運命を前にしていた。

第百二十六話完

2006・11・23
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