第百二十五話 刹那の夢
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カガリの嫌いなタイプである。
「彼は言っていますね。これからの時代はニュータイプの女性により支配されると」
「ああ」
それは彼女も聞いていた。
「あれは嘘だろ」
「カガリ、また身も蓋もない」
ユウナが突っ込みを入れるが当然彼もシロッコの話は信じてはいない。
「はい、嘘ですね」
アズラエルはきっぱりと言い切った。
「その理論が正しければそれはハマーン=カーンになる筈です」
「そうだよな」
カガリはその言葉に頷く。どうやら政治的な勘はあるらしい。
「だとしたらあいつは何でネオ=ジオンに行かないんだ?」
「そう、そこです」
アズラエルは言う。
「非常に不思議ですね。それは何故だと思いますか」
「あれだろ?」
カガリはまた言った。
「そんなのは看板で実はあいつが後ろで権力を握りたいんだろ」
「そういうことです。僕もシロッコはそういう男だと見ています」
まさにその通りであった。
「彼は女性の救世主を欲しているのではありません」
「自分の人形が欲しいだけか」
「そうです。それにニュータイプだからといって全ての能力が優れているとも限りません」
「その通りだ」
アムロがそれに応えた。
「ニュータイプは選ばれた存在じゃない。誰もが持っている能力の一つを目覚めさせただけだ」
「そうですね」
アズラエルはその言葉に満足そうに頷く。
「人と言葉無く意識を通じ合わせ、そして感性が鋭い」
「それだけだ。何もミュータントじゃない」
「人は無限の可能性を持っているものだ。ニュータイプも超能力もまた」
クワトロもそれに述べる。
「そのうちの一つに過ぎないのだ」
「言うならばSEEDもそれに同じなのです」
「そうなのか」
「はい。ですから」
「救世主でも選ばれた存在でもない」
「僕はそう考えています」
「わかった」
カガリはそこまで聞いて頷いた。
「じゃあ私もキラやシンをそう見ていく。だがな」
「だがな?」
「シンだけはいつか殺す。あいつこの前何を言ったか知ってるか?」
「いえ」
「私が男みたいだと言ったんだ。胸もないしはしたないと」
「その通りだね」
ユウナがそれを聞いて納得したように頷く。
「全くカガリときたら。言葉使いは乱暴だしお酒が入ったらすぐに脱ぎ出して下着姿になるし寝ている時は時々真っ裸になるしで」
「こら、何でそこまで知っている」
「小さい時から一緒だったじゃないか。幾ら何でもトランクスは履いてはいないけれど」
「御前こそそのハート柄のトランクス何とかしろ」
「男のトランクスの柄はどうでもいいんじゃないかな。アズラエルさんなんて紫のシルクだし」
「いいトランクスでしょう」
「こら、そんな趣味の悪い下着を」
「カガリもせめてもう少し色気があればねえ」
「同感ですね」
「
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