第百二十四話 ジオンの栄光
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であった。
アスランはシンの部屋にいた。そして彼の話を聞いていた。
「何があっても守るつもりなんだな」
「そうさ」
シンは自分のベッドの上に座っていた。アスランは部屋のテーブルの席に着いていた。
「約束したから、俺は」
「だがシン」
アスランはそんな彼に対して言う。
「御前は今サコンさん達を信じてはいないな」
「ああ」
それは彼も認めた。
「信じられない、やっぱりあの人達は」
「ナチュラルだからか」
「いい人達だってのはもうわかってるさ」
それはシンにもわかってきていた」
「けれどそれでも」
「まだ信じきれないか」
「無理だよ、急には」
それは弱音であった。
「この前まで戦っていたのに」
「しかしそれは彼女も同じだろう?」
「それもわかってるさ」
シンはそれも理解していた。
「それでも彼女は」
「特別な存在か」
「俺にとっては」
これがどういう意味かシンはまだ理解していない。アスランもそういうことには深く知らないのでこの言葉の意味には気付いていなかった。
「だから何があっても」
「守ればいい」
アスランはそれは認めた。
「御前が守りたいのなら守るんだ」
「わかった」
「けれど。それで周りが見えないようにはなるな」
「周りがか」
「それで取り返しのつかないことになってしまいかねないからな」
「・・・・・・・・・」
「焦る気持ちもわかる。けれど今は」
「あの人達に任せるしかないのか」
「そうだ」
アスランはシンにそれを認めさせようとした。
「いいな、シン」
「けれど俺は」
アスランのこの言葉にはどうにも賛成できなかった。
「どうしても」
「それでもだ。いいな」
「・・・・・・・・・」
「彼女は絶対に助かる、だから」
「助かるのか」
「あの人達を信じるんだ、御前は落ち着いていればいいんだ」
「そうしたいさ、俺も」
シンは呟く。
「けれどどうしても」
彼にはまだサコン達を信じられなかった。それを自分でもどうにもできない。深刻なジレンマの中でもがいていた。そしてそれを引き摺ったまま戦場に向かうのであった。
「さて、そろそろ山越えね」
タリアはミネルバの艦橋で指揮にあたっていた。
「いいわね、もうすぐで戦闘よ」
「了解」
アーサーがそれに応える。
「ナデシコから通信です」
メイリンが報告する。
「つないで」
「わかりました」
それを受けてモニターが開く。するとユリカがモニターに出て来た。
「どうもっ、タリア艦長」
「ええ、ミスマル艦長」
「ミスマルじゃなくていいですよ」
ユリカはすぐにタリアにそう返した。
「ユリカでいいですから」
「そうなの」
真面目なタリアにはこのあっけらかんとした雰囲気がどうにも苦手であった。ちょっとばかり違和感
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