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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第百二十四話 ジオンの栄光
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のはあくまで制圧だ」
ジブリールは言う。
「一般市民は狙わない。彼等に危害を加える必要はない」
「あんたがいつも言っている市場だからか」
ジェリドがそれを指摘してきた。
「大切な商売相手の保護か」
「そういうことだ。私とて兵器だけを売っているわけではない」
そんな企業があるとすれば架空の世界である。実際は軍需産業といってもそれだけを扱っているわけではないのだ。むしろそれは扱っている分野の一つに過ぎず、他の多くの産業に進出しているのが普通だ。むしろ軍需産業はあまり実入りのいいものではない。莫大な設備投資と維持費がかかるからだ。人件費や研究費も他の産業に比べて高い。ジブリールもそれは把握して考えているのである。彼も財団を率いているのだ。
「それでどうして産業を破壊しなければならないのだ。ましてやドイツは」
「ルール工業地帯か」
クロノクルが言う。かってティターンズが抑えていた欧州最大の工業地帯だ。これの恩恵でティターンズはかなりの戦力を整えてきたのである。
「そしてベルリン周辺の工業地帯だ。それを無傷で手に入れたい」
それこそがジブリールの狙いであった。
「それでいいな」
「まあ一般市民を攻撃するってのは正直俺は嫌いだ」
「俺もだ」
ヤザンとジェリドがまず言った。
「そういう意味であんたのやり方はいい」
「じゃあ早速取り掛かるんだね」
「そうだ。では宜しく頼む」
ジブリールはライラにも応えた。
「諸君等の健闘を祈る」
「了解」
ティターンズの面々が一斉に敬礼をして作戦会議は終わった。その後でジブリールは自らの個室でワインを手に一人くつろいでいた。
その膝には黒猫がいる。彼はその猫を見ながら色々と考えを巡らせていた。
「まずはこれでよし」
欧州に関しての考えであった。
「あの化け物さえあれば何が来ても怖くはない。そして」
「ジブリール様」
「入れ」
ノックにそう応えて入るように言った。一人の将校が中に入って来た。ティターンズの軍服である。
「何か」
「例の件でのことで」
「洗脳は上手くいったのか」
彼は椅子をその将校の方に回して問うた。その手にはグラスがある。
「その必要はありませんでした」
「我々に最初から賛成していたというわけではないと思うが」
「ええ。記憶をなくしておりまして」
「そうか、記憶をか」
「二人共。どうされますか?」
「ならそれでいい」
ジブリールはそう答えた。
「そのまま使わせてもらおう」
「わかりました」
「戦艦はあれでな」
「あれですか」
「そうだ、私も乗艦させてもらう」
「わかりました。ではそのように」
「うむ。手配しておいてくれ」
「はっ」
「そしてだ。そこにあの三人ともう一人をパイロットとして置く。いいな」
「ミッテ博士もですね」

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