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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十四話 激動と共に訪れる変化
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ない。だがしかし、気付いているだろうか。ここは誰の世界か。この闇夜は誰のものか。死の森は誰によってなされたかを。

「……え?」

シュライバーは突然膝を着いた。無意識の最中に奪われた魂。そうここはヴィルヘルムの創造『死森の薔薇騎士』の世界。魂は吸精され、流れは完全にヴィルヘルムに向いたものと思われた。しかし、大隊長はその程度で砕けはしない。

「あ、ああああ、あああがががあああぁぁぁあ!!!!」

果たして吸精は聖遺物を持つものをすぐに枯渇させることが出来るだろうか。否、出来はしない。故にシュライバーは初めてこの世界を理解し、触れられているのではと悟る。よって起きるのは暴走、今ここに狂戦士(バーサーカー)は目覚めを果たす。

「ああ 私は願う どうか遠くへ 死神よどうか遠くへ行ってほしい (Voruber, ach, voruber! geh, wilder knochenmann! )
私はまだ老いていない まだ生に溢れているのだからどうかお願い 触らないで (Ich bin noch jung, geh, Lieber! Und ruhre mich nicht an. )
美しく繊細な者よ 恐れることはない 手を伸ばせ 我は汝の友であり 奪うために来たのではないのだから (Gib deine Hand, du schon und zart Gebild! Bin Freund und komme nicht zu strafen. )
ああ 恐れるな怖がるな 誰も汝を傷つけない 我が腕の中で愛しい者よ 永劫安らかに眠るがいい (Sei guten Muts! Ich bin nicht wild, sollst sanft in meinen Armen schlafen!t. )
創造 (Briah―― )
死世界・凶獣変生 (Niflheimr Fenriswolf )」

詠唱を終え動きが止まる。僅かに残った理性の欠片か残滓かによって尋ねられる。

「ねえ、君は誰?」

「ああ?」

おそらくは記憶の焼き直し。過去の記憶に戻り、それを早送りで再生しているよなものだ。

「……うふ、うふふふ……いいな。いいよお兄さん。ノれる感じだ、名前が知りたい」

「そうか、そうだよな。あのメルクリウスの言ったことはここが原因に違いねえ」

「これから先も、今夜の興奮をたまに思い出して浸りたいよ。だから、ねえ、ねえ、いいでしょ名前。教えて、教えて、知りたいんだ」

「いいや、テメエなんぞに教えやしねえ。自分で勝手に思い出せ。そして名乗りな。テメエは何だ、何者だ?大事なことだぜ、言ってみろよ、なあッ、シュライバー!!」

思い出すがいい。貴様が何者か、この俺が何者か。俺達は何を求めた。何に敬服した
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