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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十四話 激動と共に訪れる変化
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鎖を放ち、杭を打ち込み、銃撃を叩き込んで、殴りあう。そんな戦いの最中にできた一瞬の空白。互いに立ち止まり、いや、ヴィルヘルムの方は追撃が可能だったろうがあえてそれをせず司狼に対し疑問を投げ掛けた。

「テメエが俺と戦ってるときいっつも笑っていやがった。お前は戦いに何かを求めてる。名誉か、闘争そのものか……あるいは……未知か!」

一瞬で距離を詰めるヴィルヘルム。迎え撃てば潰される。左右に避けても杭がある。だから彼は、

「テメエにそれが―――関係あるかよ」

後ろへ跳躍。鎖を伸ばし、教会の屋上に着地する。無論それは唯単に闇雲に逃げたわけではない。ヴィルヘルムと司狼の実力差は如実に現れている。平面で勝つことは出来ない。であれば限定された空間ならどうか。そう判断して屋上に逃げた。

「そう単純なもんでもねえよ。あの時、まんまと逃げ延びた時だってやってやったとは思えなかったね。“ああ、またか”って感じたよ。何時だって、全部終わってから襲ってくるのさ。ガッカリってのは、そういうもんだ」

「……なるほど、メルクリウスに聞かせてやりてえ言葉だな。それならテメエにいいもんをくれてやるよ。こいつを見ても、まだ未知じゃねえとは言わせねえ」

何か来る。そう司狼は咄嗟に理解して鎖を構える。

「もう充分だ。面白かったぜ。手抜きはここらで止めにするわ」

―――創造―――司狼ではまだその域にまで行くことの出来ない形成の上位位階。

「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか (Wo war ich schon einmal und war so selig)
あたなは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない (Wie du warst! Wie du bist! Das weiB niemand, das ahnt keener!)
幼い私はまだあなたを知らなかった (lch war ein Bub’, da hab’ ich die noch nicht gekannt.)
いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう(Wer bin denn ich? Wie komm’ dennich zu ihr? Wie kommt denn sie zu mir?)
もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい 何よりも幸福なこの瞬間 (War’ ich kein Mann, die Sinne mochten mir vergeh’n. Dasist ein seliger Augenblick,――)
私は死しても 決して忘れはしないだろうから (Den will ich nie vergessen bis an meine
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