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孤高の雷狼と疾風の狩人
雨の中で
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てきた。それはこちらに見むきもせず、ただ、雨雲の一点を睨んでいた。

「ニャ、ニャワワワ!ニャワワワ?ニャワーーー!?」

「おちつけ、コジローアイツはこっちに見むきもしてない。だから、黙って後ろを素通りするんだ」

「そうはいってもニャ、ガ、ガーグァがパニックになって言うこときかないニャ〜」

 たしかに、荷車はさっきまでとは比べ物にならない速度で走っていた。
荒れた道を荷車が疾走すればのっているものが不安定になるのは当然のこと
石を蹴飛ばした荷車が大きく跳ね上がり乗っていた人がふっ飛ばされ叩き落された。黒い影の前に

「おいおい、まじかよ」

 黒い影をまじかで見るとそれは鮮やかな緑色の鱗と黄色い角をもつ四つ足のモンスター

「・・・・・・ジンオウガ」

 渓流の主である雷狼竜ジンオウガ、雷光虫を纏い電撃をくりだすモンスター
反射的に太刀の柄に手がかかりそうになるががその手が止まった。
腹の下にハンターがいるのにジンオウガは相変わらず空の一点を睨んでいた。

「ニャワワワワアアワワアアアワーーー」

 人のことを乗り捨てていった荷車がしたの道を通り過ぎようとしていたのを見て慌てて荷車にむかって飛び降りた。荷車が落下の衝撃で跳ねる荷車の中から小さくなるジンオウガは最初に見えたときと変らず空の一点、雷鳴の轟く場所を睨んでいた。
 雨が小降りになっていく中、ジンオウガから目をそらした彼を見つめる碧色の目があったことを彼はまだ知らない
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