雨の中で
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ゴトゴトと揺れる荷台から見上げる空は鉛色で今の自分の気分を体現しているようでおもわず溜息がでてしまう。
「ため息をついていると幸せが逃げるというそうですニャ、ご主人」
御者をつとめるアイルーのコジローが俺を慰めるがどんな慰めをされようとこの曇天が晴天にならないように俺の気持ちは晴れることはないだろう。
「ご主人、たしかにコッチに来る途中に海でモンスターに遭遇したのは運がなかったニャ。」
「・・・・・・それだけならまだいいさ、ラギアクルスなんてドンドルマでは遭遇する機会のないモンスターと遭遇できたんだ狩人としては血が滾るってもんだ。」
そう、俺はドンドルマで狩に行きづまりを感じていた。
だから、交易船の船長にコッチ来ないかと誘われた時はそう時をおかずに決断した。
その途中でコジローが言うようにラギアクルスと遭遇した。ラギアクルスの放つブレスを太刀で船にあたらないようにいなしていた俺はアイツの放ったブレスにより海に叩き落とされた。
その後ラギアクルスが去ったあとに交易船の船長に船に引き揚げられた俺は愕然とした。
ドンドルマの防具はコッチの防具のように水中戦を想定していないのでダメになってしまい、さらに浸水しポーチの中がグショグショになって道具の大半がオシャカになってしまっていた。
「た、たしかに装備はダメになってしまったけれど、ご主人が無事でよかったニャ。
ダメになった防具はまた一緒に狩に出てつくろうニャ、自分頑張るニャ」
「・・・・・・」
「元気出すニャ」
「・・・・・・そうだな、いつまでも過去を気にしてたら前に進めないもんな、
それに、心機一転して新しい環境で初心に帰って自分を見つめ直そうとおもってたから
装備がオシャカになってしまったのもちょうどいいとおもえるさ」
そう言って、もう一度見上げていた曇天からポツポツと雨が降り出しそれはすぐに土砂降りとなった
「ご主人、コッチに着てからよく濡れてるニャ、おかげでコッチもびしょびしょニャ」
「よかったじゃないかコジロー、水もしたたるいい男のオトモをやれて」
「自分でいい男とかマジないニャ。でも、ご主人もそんな冗談が出てくるぐらいには立ち直ったニャ」
「あぁ、そうだな・・・・・・空は憂鬱になるくらいの土砂降りなのに」
1人と1匹は菅笠をかぶり頭だけでも濡れないようにしながら土砂降りの中ガーグァにひかせた荷車でこれから拠点となる村に向う崖沿いの道を走っていく、遠くかすかに何かの遠吠えが聞こえたきがした
○○○×●●●
「ご主人、もうすぐユクモ村に着くニャ、しっかりするニャ」
ガタゴトと荷馬車にゆられていた体をおこし前を見ると土砂降りの中きかぬ視界でもわかる巨大な黒い影が出
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