第五十七話 自覚
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れを否定する。
「・・・イヤ・・・あんな力いらない・・・黒い力なんていらない・・・人を不幸にする力なんていらない・・・」
闇慈は何かを決心したような顔になると、身体を屈め、小猫と向き合った。
「・・・あ、闇慈先ぱ・・・っ!?」
闇慈は小猫が言い切る前に小猫を自分の胸元に引寄せ、そして抱き締めた。そして顔だけを黒歌に向け、こう言った。
「黒歌・・・貴様は何も理解していない。ここにいるのは『白音』と言う人じゃない。『塔城小猫』という無二の存在だ!!貴様がかつて捨てた『白音』は・・・死んだ!!そして彼女はこれから俺たちと様々な思い出を作り、リアス・グレモリーのルークとして生を歩んでいく!!それを邪魔立てするのなら、俺は貴様に・・・『死』を見せやる!!」
闇慈の言葉に胸の中で小猫は涙を流していた。闇慈はゆっくり立ち上がり、そして今度は小猫に言い聞かせた。
「塔城小猫!!俺たちは全力でお前を助ける!!だから・・・言え!!お前が本当に望んでいる事を!!白音ではなく・・・塔城小猫として望んでいることを!!」
闇慈の激励に小猫も涙を拭うと・・・
「・・・行きたくない!!私は塔城小猫。黒歌姉さま、あなたと一緒に行きたくない!私はリアス部長と一緒に生きる!そして・・・闇慈先輩と!!」
今までに無かった叫びで、小猫は絶縁とも言える宣言を黒歌に放った。それを聞いた黒歌は苦笑した後、冷笑を浮かべる。
「じゃあ、死ね」
黒歌の言葉と同時に黒い霧のようなものが出てきた。そして・・・
「・・・あっ」
「・・・これは」
一誠の隣にいたリアスと闇慈の傍に小猫がその場で膝をつき、苦しみの表情を浮べた。
「ふーん、赤龍帝と死神を宿しているから効かないのかしら?この霧はね、悪魔や妖怪にだけ効く毒霧にゃん。毒を薄くしたから、全身に回るのはもう少し苦しんでからよ。短時間では殺さないわ。じわじわっと殺してあげるにゃん♪」
「ど、毒霧!?」
一誠はどう対処して良いのか分からずにたじろいでいたが・・・
「ならこうするまでだ!!」
闇慈は明鏡止水を発動させ、黒いオーラを纏うとデスサイズ・ヘルを掲げ・・・
「照らし出せ!!」
先端を勢い良く地面に突き刺すと、その衝撃でオーラが周りを飛ぶとそのオーラに触れた霧が消えて行った。
「毒霧が!?何をしたのにゃ!?」
「早い話。毒を『無効化』させてもらった。これで毒霧はもう通用しないぞ?」
そう言うと闇慈は飛翔刃を飛ばし、黒歌を真っ二つにしたが、それは幻影だった。
「良い一撃ね。でも無駄無駄。幻術の要領で自分の分身ぐらい簡単に作れるわ」
そう言っている間に黒歌の幻影が次々と増えて行った。そして妖術で作った球体を次々
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