信じた先にあるもの
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れは今日宝くじが当たりそうだから、宝くじを買ってみる、とほぼ同じだろう。
「責任は全て俺が取るつもりだ。だから…ステイルも一日だけ我慢してくれないか?…頼む!」
「!!」
人に頭を下げる、と言う事を決してしない神堂が頭を下げた事にステイルは驚く。ステイル動揺、火織でさえも目を丸くして驚いている。
そしてそれを見たステイルは考える。
確かにステイル自身もあの少年には何かを感じていた。あの不思議な力も込みで、あの少年が普通の人間とは何処か違う、と言う事を。
それは決して今回の賭けに値する事ではないが、それでも神堂と言う自分が信用している人間がこうもあの少年を信用しているのだ。人を信じる事があまりない神堂が、今日始めてあったばかりの少年を信じる。それがどれ程珍しい事か。…つまりそれだけあの少年には何かがあると言う事だ。
「分かったよ」
「ステイル…」
「一日だけだからな!それ以上の猶予は与えない」
「ああ。分かっている―――ありがとう」
神堂に礼を言われ、どこが複雑そうな表情を浮かべるステイル。
「君が僕にお礼を言うなんてね。明日は矢の雨でも降るんじゃないか?」
ステイルの言葉に思わず笑ってしまう火織。
実際神堂が人に礼を言う事は少ない。先程人に頭も下げないと言ったが、人に礼をすることも少ない。単純に礼儀がなっていない、と言うよりは信用しない人間には近寄らないだけなのだが。
それでも、ずっと一緒にいるステイルと火織でさえも神堂に礼を言われた事は数える程度しかないのだ。ましてや先程頭を下げられたのは始めての事。
「失礼な奴らだな。俺だってお礼と言う時は言うさ」
「君はそれが少ないから驚いているんだよ」
「むぅ…」
ステイルの言葉に思い当たる節が幾つもある神堂は言い返せない。
「それじゃあ僕は行かせてもらうよ」
「…?何処に行くんだ?」
「君の部屋だよ。僕はそこで待機させてもらう事にする。光輝はどうするんだい?」
「俺はあの男の元に行ってみる。何をするか自分の目で見ていたいからな。火織は?」
「私は光輝に付いていきます。私も気になりますので」
これで全員がこれからどうするか決まったのだが、火織の言った言葉を聞いてステイルがニヤリと嫌な笑みを浮かべる。
「神裂は何時も光輝の隣にいるね。そんなに光輝の事が好きなのかい?」
「なっ!!」
一気に顔を赤くする火織。
「な、なな、何を言い出すんですか貴方は!」
誰がどう見ても動揺を隠せていない。
「だって本当のことだろう?現に君は―おわッ!」
現に君は光輝にべったりじゃないか―そうステイルは言おうとしたのだろうが、
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