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故郷は青き星
第十四話
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面軍本部が置かれるコレート星系でよろしいでしょうか?』
「今更だな……」
 エルシャンはシルバ6を惑星リオニクより僅か1光日の距離に置いていた。
 極限までタイムラグを減らすまでの処置だったが、生き残った【敵性体】艦隊から離脱するのは不可能だった。
 大型機動要塞は鈍足。一度のワープの距離こそ1000光年と長距離の跳躍が可能だが、その巨大な質量が災いし連続ワープが出来ない上に、大きな空間歪曲の痕跡を残すため足跡を辿るように追跡も可能であり、最初から生き残るつもりは無かった。
『司令官。希望する目的地を指定してください』
 繰り返し質問を投げかけてくるマザーブレインにエルシャンは一度だけ瞼を開くと「戻りたい。今はもう一度だけ地球に戻り、一目この目に……」と呟き、そのまま眠りに就いた。

『目的地設定、地球』
 マザーブレインが目標設定が出来たのは、エルシャンが予め地球の座標設定を行っていたため。
 3ヶ月を超える戦いの中で、彼の慰めとなったのが地球の存在。彼はライブラリーから地球のデーターを何度も呼び出すと、その青い美しい星をじっと眺めていた。フルント星とも他のどの美しい惑星とも違う独特の青さを放つ宝石のような星を、戦いに荒んだ目を優しく輝かせながら見つめる彼の姿をマザーブレインはメモリに刻み込んでいた。
『ワープ開始』
 臨界直前で待機していた跳躍エンジンは次の瞬間、眩く虹色に輝く跳躍フィールドでシルバ6を包み込んだ。
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