第十四話
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を発射する直前に傾斜をつけたエネルギーシールド──航宙母艦などが展開可能な障壁の一種だが、大型化したとは言えカテゴリーとしては戦闘機であるXSF/A-R1には、高出力かつ機体の全方位をカバーする障壁を展開するのは不可能。低出力で対角線が10mの正六角形のシールドを2枚張ることが出来る──を自機と小型種の間に展開する。
直後に小型種が放ったレーザーは低出力とはいえ傾斜があるためにエネルギーシールドに弾かれる。そしてお返しと言わんばかりに放たれた反撃の機首レーザー砲の一撃を浴びて小型種は爆散する。
XSF/A-R1は2枚のエネルギーシールドを駆使して小型種の攻撃を次々と弾き逸らすと、迎撃体制をとった小型種を次々に撃ち落していき、そのまま敵集団へと突入に成功する。
密集した敵集団の中を潜り抜けて飛んでいる状態で前方へ攻撃は自らの行く手を塞ぐことになるため、後方発射管よりミサイルをろくに狙いを付けずに近接信管で連続的に発射していく。
直撃を受けて爆発する個体。爆風に巻き込まれて他の小型種と激突する個体。だが多くの個体には大きなダメージは与えられない。
しかしXSF/A-R1が通った後にミサイルの爆発で出来た道を境に、攻撃に巻き込まれ行く手を遮られた小型種たちの行き足は鈍り、一部が千切れ雲のよう集団から分離していく。そこへ敵集団後方にいた1個航宙師団が襲い掛かった。
XSF/A-R1は敵集団の中央突破に成功した後に、ターンして再び敵集団へと突入すると集団から一部を引き剥がす。それを繰り返す事で10000体の敵集団を解体していった。
やがて完全に分断されて行き足が止まり、隊形の崩れた敵集団を蹂躙することでエルシャンはたった1機で2000体を超える小型種を撃破するという前代未聞の大戦果を上げる。
この戦果を持って自らが有力な戦力である事を証明したエルシャンは、その後もたった1機で戦闘に参加し続け、更なる戦果を積み重ねていく。
しかし【敵性体】へ大きく傾いた戦況は決して覆らない。例えエルシャンが如何に戦おうと、たかが1機の活躍でどうにかなるような小さな規模の戦いではなかった。
それ故にエルシャンは戦い続ける。敵が強大であるほど、戦いが激しいほどにのめり込んで行く。戦いの中で自らの存在意義を確認している間だけ、失った事の悲しみと苦しみから自由でいられた。
イルヌ星系陥落後3ヶ月──
エルシャンは、英雄と称えられ、そして次第に味方からも悪魔と恐れられる様になるほどに戦い続けた彼の身体は、神経組織に大きなダメージを蓄積していった。
『司令官。これ以上のパイロット強化用ナノマシーンの投与は危険です。最低でも1ヶ月間の静養と治療用ナノマシーンの投与を行うことを提案します』
マザーブレインから警告受けるエルシャンは、現在
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