第五十四話 境地
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水の境地みたいだよ」
それにアザゼルが続ける。
「明鏡止水か・・・洒落た名前だな。でもお前はこれで強くなったと思うぜ?俺もあの火球を叩き斬った時は驚いたぜ?」
それを聞いた闇慈は少し笑みを零し、水筒のお茶で喉を潤した。ここで闇慈は気になったことを思い出し、アザゼルに尋ねる。
「アザゼル先生。あの時ヴァーリが何か呪文みたいなものを唱えようとしていたんですけど、あれって何なんですか?」
「あぁ、[覇龍]『ジャガーノート・ドライブ』の事か」
「[覇龍]『ジャガーノート・ドライブ』?[禁手]『バランス・ブレイカー』よりも上の状態ですか?」
「いや、バランス・ブレイカーの上は存在しない。セイクリッド・ギアの究極は禁手だ。だがな、魔物の類を封印してセイクリッド・ギアにしたものがいくつかあってな。それらには独自の制御が施されている。イッセーのブーステッド・ギアとヴァーリのディバイン・ディバイディングもその例だ」
「独自の制御・・・要するにジャガーノート・ドライブは『力の暴走』みたいなものですか?」
「そうだ。酷い位のな。本来、セイクリッド・ギアは強力に制御されていて、その状態から力を取り出して宿主が使えるようにしている。だが、赤龍帝と白龍皇の神器の場合はそれを強制的に一時解除し、封じられているパワーを解放する。それが『ジャガーノート・ドライブ』だ。一時的に神に匹敵する力を得られるが・・・リスクも大きい。寿命を大きく削り、理性を失う。言うなれば、力の亡者と化した者だけが使う呪われた戦い方だ。イッセー、お前は絶対に真似するな」
一誠はそのジャガーノート・ドライブの内容を聞くとブンブンと首を振り、同意した。
「よし。お前たちもオッケーみたいだな。あとは・・・小猫か」
「小猫?小猫ちゃんがどうかしたんですか!?」
闇慈はらしくないように慌ててアザゼルに尋ねる。
「落ち着け。命にどうこうするって程じゃねえ。焦っている・・・と言うよりも、自分の力に疑問を感じているようだ。俺が与えたトレーニングを過剰に取り組んでてな、今朝倒れた」
「なん・・・ですって!?」
闇慈は心が乱れたのか『明鏡止水』も消えていた。
「怪我はアーシアに治療してもらえるが、体力だけはそうはいかん。特にオーバーワークは確実に筋力などを痛めて逆効果だ。ゲームまでの期間が限られているのだから、それは危険だ」
(小猫ちゃん・・・君は何を焦っているんだ。焦りは何も良い物を生まない)
闇慈は苦虫を噛み締めたような顔をしたが、アザゼルは続ける。
「さて、行くか。アンジとイッセーを一度連れ返せと言われたんでな。一度グレモリーの別館に戻るぞ」
「へっ?先生、誰からの連れ戻し命令ですか?部長?」
「リアス
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