GGO編
百六話 Encount
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れ、10年以上はやってんな」
「な、長いね……何歳くらいから?」
「六歳」
「ろっ……!?」
小学校に上がる前からやっていたと言う事になるようだ。というかそのころからあんな殺伐とした雰囲気のゲームをやっていたのか……
「てか、俺にとっちゃようはシューティングゲームだったからな。そこまで深く考えたことねぇよ」
「ふぅん……」
そんな事を話していると、北に向かう大通りに出た。ここを進めば、銃士Xが狙っている大通りだ。アイリが顔を出し、左右を確認して進行方向に銃口を向け、手でリョウに前進を示す。リョウはアサルトライフルを構えつつ、アイリの前に出て、聞き耳で周囲を警戒しつつ前進。遮蔽物になるべく身を隠すように、その間を縫いながら、なるべく迅速に移動を続ける。
それを始めに目にしたのは、リョウの方だった。
既にスタジアムが見え始めていたリョウとアイリは、銃士Xがこの広い道路を狙っているならばスタジアム内から銃口の一つも見えるだろうと思い、ためしにスタジアムの南西に回るように動き始めていた。
先行するリョウが、環状線に横たわるバスの影から通りの先を見渡した……その時だ。
「……?」
環状線スタジアムの南西……ビルの倒壊した壁面の下に、人影が見えた。ボロボロのマントを着て、背中にリョウの知らない大型のスナイパーライフルと、やはり知らない不思議な形のSMG位の大きさの銃を背負ったその人影をみて、リョウは一瞬だけ顔しかめる。どう見てもそのマントに迷彩効果が有るようには見えなかったからだ。このバトルロイヤルが行われているフィールドで、あんな無警戒に直立していると言うのがそもそも珍しいのだが……
と、よくよく見ると彼は何かを地面に向けているようだった。拳銃だ。右手に持った小さめの拳銃を、地面に向けている。その射線の先に目を移すと……
「……!」
そこに、一人の少女が倒れていた。華奢な細腕にもかかわらず、背中に長大かつ重厚なスナイパーライフルを背負っている。リョウの脳内銃図鑑(記載数極僅か)と、それを照合した結果。今度はリョウが知っている銃だ。と言うか、昨日調べたばかりだったのだ。
グリップとストックが木製で、銃口に大きめのマズルブレーキが付いたそれは、「PGMウルティマラティオ・へカートU」と呼ばれる代物で、フランス製の対物狙撃銃(アンチマテリアル・ライフル)だ。その有効射程は実に1800メートル。このGGO無いに数本しか確認されていないアンマテの一つでもある。
そんな狙撃銃を背負い、このバトルロイヤルに参加している少女……それが誰であるか、リョウにはすぐに分かった。そもそも倒れているのが少女だと分かったのは、その髪の色が鮮やかな水色であり、その髪の持ち主を、彼が知っていたからだ。
昨日控室でほんの数分だけ顔を合わせた少
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