GGO編
百六話 Encount
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アイリが何をしているかと言うと、Bobの舞台となっている島。ISLラグナロクのちょうど中心となっている、都市廃墟エリアの路地を西に向かって移動している所だった。
あの後二人は八時四十五分の《サテライト・スキャン》を、じっくりと確認した。その中からあ得られた情報は三つ。
一つ。銃士Xはどうやら現在この都市廃墟を西に行ったコロシアム的な建物の中に居るらしいと言う事。
一つ。シノンとキリトはどうやら完全に協力関係になったらしく、未だに二人で行動しているらしい事。
一つ。銃士X、キリト、シノンにくわえて、リョウとアイリを覗くと、この都市に後居るのは“リココ”と“キョロ”と言う二人のプレイヤーのみらしいと言う事。
「……そう言えば……」
遮蔽物の向こう側を警戒しながら動きつつ、アイリが言った。
「リョウって、FPS始めてなの?」
「……はぁ?」
素朴な疑問と言うべきか、そこまで考えずに言った発言に、リョウが首をかしげた。
「いや、初心者ってわけでもねぇぞ?まぁVRFPSは初めてだけどなぁ……」
「え、そうなの!?初心者だと思ってた……」
「んなわけあるか。ホントにそうなら銃使ってここまでなんざ来れるかよ」
実際、予選はそれなりに大変だった記憶が有る。殆ど銃だけで武装しているリョウでは、まともに銃が使え、なおかつFPSにおけるPvPに慣れていなければ此処まで来ることなど出来ない筈だった。
「でも銃の名前とか全然知らなかったよね?」
「そりゃな。FPSやってて使う事はあっても、銃の名前なんざいちいち覚えねぇだろ」
「えー!?」
どうやらその辺り、アイリとリョウには認識に違いが有るようだった。アイリは基本的に、気になった事は徹底的に調べるタイプの人間だ。それが功を奏したのか、この世界に来てから銃の知識がかなり豊富になった。幾つかの銃は個人的にも大好きだ。(基本軽い銃が好きである)
対しリョウの場合、FPSにおける銃はあくまでも“武器”であると考えるタイプの人間だった。ゲームによって同一の名前の銃でも多少性能が異なるFPSをやるうえで、その銃の名前や現実世界での性能などは、リョウにとっては有体に言えば特に重要なことでは無かったのだ。
強いて言うなら、RPGにおける「エクスカリバー」と、別のタイトルのRPGにおける「エクスカリバー」が、名前は同じでも性能は全く違う武器であることが多いように、。FPSにおける「M16」と、別タイトルにおける「M16」も、同じ感覚でリョウはみていたのである。
「んなもんだから、いちいち名前覚えたりしねぇんだよ」
「へー……じゃあ、実際の所FPS歴どれくらいなの?」
「んー……」
リョウは考えこむように一度黙る。ちなみに警戒は続けているし、前にも進んでいる。
「あー……かれこ
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