第31話
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階へと降りてくる。
ミーシャは火野の顔を見るなりL字の釘抜きを引き抜こうとするが、土御門がミーシャの手を掴み事情を説明する。
上条に部屋の窓を開けるように指示するとそこから光が入り部屋の中の様子が分かる。
部屋中には海外からの民族性のあるお土産で溢れていた。
しかし、全員はそんな事に気にしている暇はない。
「さて、「審問」でも開始すっか。
一応、降参する場合は御使堕の儀式場を吐く事を覚えておくぜよ。
土御門は楽しげな口調で話しミーシャの右手にはドライバー、左手にはノコギリが握られている。
そんな状況でも火野の態度は変わらなかった。
何度もしらない、と呟き、エンゼルさま、とも呟いている。
麻生と上条以外は火野の威嚇行為などと思っているが、この二人は全く別の考えを考えていた。
そしてテレビで話していた事を思い出した。
「そうだ、二重人格だ。」
上条の言葉に麻生以外の全員が反応する。
神裂達は二重人格が何を意味しているのか分かっていないようだ。
上条に続けて麻生が説明をする。
「御使堕しの影響で火野の中で「人格A」と「人格B」が入れ替わっている事だ。
これなら外見が変わらない理由に説明がつく。
中身、つまり人格と言う中身が入れ替われば外見が入れ替わりに変化は起こらない筈だ。
火野は犯人じゃない。
こいつも御使堕しに巻き込まれた被害者だ。」
神裂は信じられないような顔をして火野に問い掛ける。
「医者に、医者に言われたのですか?
あなたのエンゼルさまはただの二重人格と、そういう診断を受けたのですか?」
「ひっ!やめ、やめろ、そんな目で見るな。
あの医者は何も分かっていないんだ、何も分かっていないだけなんだ!!」
その言葉を聞いて全員分かってしまった。
その結果を上条が告げる。
「火野神作は御使堕しの犯人じゃない。」
全員がその場で固まってしまった。
完全にとばっちりを受けた火野神作は「エンゼルさま」が偽物だった事にショックだったのか気絶している。
完全に犯人を追う手がかりを失ってしまった。
そこで上条の視界の中で違和感を感じた。
火野が寄りかかっている戸棚へと近づく。
そこには写真立てがあり、そこには幼い上条と両親が映っている筈だった。
御使堕しは写真の中まで影響を及ぼす。
ゆえに写真に写っている詩菜の姿もインデックスになっているのだが、父親である刀夜は海の家であった刀夜と同じ姿をしていた。
つまり入れ替わっていないのだ。
その事実にその場にいた全員が気づく。
「ま、さか・・・父さん。」
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