第31話
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うまく起動している事を伝え、確認すると警官達は上条の家とは別の家を包囲していた。
上条の家の前に立つとカーテンが全て閉められており中の状況がよく分からない状態だ。
上条は麻生と神裂が戻ってきたとき神裂の表情が暗かったので、心配して神裂に視線を向けるとさっきの暗い表情から少しだけ明るい感じがした。
火野が目の前にいるので余計な事を考えている暇はないんだろうと考える。
神裂とミーシャは二階から潜入すると言って何の助走も無しで屋根に飛び移った。
上条はその光景に唖然としていたが、麻生と土御門は特に気にすることなく上条の家の玄関から潜入する。
玄関の扉を開けて中に入るとカーテンを閉め切っているが、完全な暗闇ではなくカーテンの隙間からわずかに光が入っていた。
中に入りリビングに行くと麻生は部屋の中に充満している異臭に気づき小声で土御門と上条に話す。
(ガスが充満している。
下手に火花とか起こすと爆発するぞ。)
麻生の言葉にギョッと二人は肩を震わせた。
だが、麻生が忠告したにも関わらず前に進んでいく。
(とりあえず上条は窓を開けるようにしてくれ。
土御門はその護衛を、俺は一階をくまなく探す。)
(危険だろ、一緒に行動した方が良い!)
(時間がない、それにガスが充満しているこの部屋で火野が余計な事をすれば大惨事になる。
窓を開けないと話にならない。)
これ以上の話は火野に場所を教えてしまう可能性があるので麻生は一人で奥に進んでいく。
台所に向かいガスの元栓を閉めようとした時、ゆらりと音もなく痩せぎすのシルエットが麻生の後ろから現れる。
火野は最初から台所に隠れていて麻生が横を通過した時に現れたのだ。
上条と土御門は火野の存在に気付いたが、麻生から見ると後ろにいるので麻生は気づいていない。
「きょう、・・・!!」
すけ、と上条が名前を呼ぼうとした時には既に三日月のナイフは麻生の頭に向かって振り下ろされていた。
上条と麻生の距離は離れているので助けることも出来ない。
上条は最悪の結果を想像した時だった。
火野の持っているナイフが麻生に当たる直前で止まったのだ。
正確には麻生とナイフの間に何かが挟まって、これ以上前に進めないといった表現の方が正しい。
麻生は振り返り、ナイフを持っている手首を殴りナイフを手から離させる。
「ぎぅ!!」
火野は後ろに下がろうとするが麻生がそれに合わせて前に進み、掌底を火野の腹に突き出すように繰り出しそのまま後ろの戸棚にぶつかった。
「残念だったな。
お前が後ろから奇襲を仕掛けてくると思ったから、背後に空間の壁を設置していたんだよ。」
麻生はそう言って台所のガスの元栓を閉める。
さっきの物音が二階まで聞こえたのか神裂とミーシャが二
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