第30話
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「解答一。
昨夜、火野が魔術を使用した痕跡は見つからず。
おそらくは追跡を逃れるための工作かと推測される。」
「一番ネックの「天使」の気配もないしにゃー。
もっとも天使クラスの魔力なんざ、そのまま放置すりゃあそれだけで土地が歪んじまう。
何らかの方法を使って隠蔽してることは間違いないんだろうけど、どちらにしてもまずは情報収集だぜい。」
土御門は客室の隅っこに置いてある古臭いテレビのスイッチを入れる。
ニュース番組では相変わらず小萌先生と、どこかの大学心理学者(見た目は小学校三年生くらいに見えるが)が火野の行動などについて話をしている。
上条は昨日火野が何度も言っていたエンゼルさまについて思い出す。
「なぁ、もしかして火野は天使に命令されて御使堕しを引き起こしたんじゃあないのか?」
「それはないな。」
上条の意見に麻生が否定する。
「天使にはそもそも心と言った考えを持っていない。
簡単に言えば天使って言うのは神様の使い勝手のいい人形みたいなものだ。
神様の命令を無視して行動する天使を「悪魔」と呼んでいるんだ。」
「ま、そこらは火野を捕まえて吐かせますか。
さて、具体的に敵戦力を考えようぜ。」
「天使を完全に掌握しているというのはおそらくない筈だ。」
「何でそう言いきれるんだ?」
麻生の言葉に上条が反応する。
「もし掌握できていたら、あの時に既に天使の力を使っている筈だ。」
あっ、と上条もそこに気づいたようだ。
神裂と土御門も麻生の考えに同意しているようだ。
「協力者がいるという可能性はどうでしょうか?
クロイツェフの話を聞いた限りでは歯を二本を引き抜かれ左手首は砕かれているはずです。」
「馬鹿正直に病院に行けば即通報。
闇医者の世話になるにも脱獄直後じゃあ金もない。
こりゃあ現金輸送車を襲って資金調達か、回復魔術の下準備ってとこか。」
「何にせよ、釈然としません。
私達は心理分析の専門家でもありませんし、これ以上は犯人予想は余計な誤情報を生むだけかもしれません。」
神裂が言葉を言い終えるとそこで会話の流れも止まる。
若干ながら重苦しい空気の中、テレビの方だけが妙に無機質に響き渡るがいきなりテレビの声がいろめき立った。
麻生が視線を向けると「臨時ニュース」というテロップが映っていた。
何でも火野は神奈川県内の民家に逃げ込んでいるというニュースだった。
「さてはて困った事になったぜい。
できれば警察に介入される前に、火野神作を回収しちまいたい所だけどどうしたもんかにゃー。」
「土御門!
仮に人質がいた場合どういう結果を招くか分かって言っているのですか
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