第30話
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を麻生に向かって投げつける。
麻生はナイフでそれを弾き落とすがその対応は間違いだった。
弾き落とした瞬間には既にミーシャは接近していて、L字の釘抜きを麻生のナイフを持っている手首に向かって振り下ろす。
麻生は無理矢理手首を曲げて直撃を避ける事が出来たがL字の釘抜きの先端が、ナイフとナイフを持っている皮膚の間に入り込む。
ガリガリ!!、と皮膚を削る音と同時にナイフを上に弾かれ、そのままL字の釘抜きを麻生の顔面に向かって振り下ろす。
麻生の両手には干将・莫耶が握られており、振り下ろされるL字の釘抜きを受け止める。
さらにはミーシャの左右から地面が盛り上がり先端が槍のような形なり、ミーシャに襲いかかるがそれを後ろに下がる事でかわす。
地面の槍と槍がぶつかり合った瞬間、その影から干将・莫耶が飛んでくるが冷静にそれを打ち落とす。
「今のが決まっていれば両腕は切り落とせたんだけどな。」
土煙が晴れると麻生の両手には赤い槍が握られていた。
槍の名前は刺し穿つ死棘の槍。
槍の持つ因果逆転の呪いにより、真名開放すると「心臓に槍が命中した」という結果をつくってから「槍を放つ」という原因を作る。
しかし、これは麻生の技量関係なく真名解放をすればミーシャの心臓を貫き殺してしまう。
麻生はある女性と一つの約束をしている。
その女性とは黄泉川愛穂。
彼女がまだ警備員に入りたての頃、まだ実力も未熟だった時、武装無能力集団に捕まってしまった時があった。
しかし、武装無能力集団が愛穂の身体に何かしようとした時に麻生が愛穂を助けに来たのだ。
偶然にも麻生は武装無能力集団が愛穂を連れて行くところを見かけたからだ。
麻生は能力を最大まで使い、その場にいた人間を全員殺そうと考えていたがそれを止めたのは他ならぬ愛穂だった。
「ウチがこいつらに捕まったのはウチの力が無かったからじゃん。」
何をされるか分からなかったのにそれでも愛穂は麻生に笑顔を向けた。
「だからウチは強くなるよ、こいつらを更生させるだけの強さをね。
だから麻生とウチと約束じゃん、絶対に人を殺したらだめ。
例えそいつがどんな悪人でも。」
愛穂は自分の小指と血まみれになった麻生の小指を結びつける。
麻生はその約束をずっと守っている。
どんな奴が相手でもどんな腐った悪人でも絶対に命までは取らない。
先程の干将・莫耶を投げつけたのも首ではなくわざわざ弾かれやすい腕を狙ったのだ。
だがさっきも言ったが刺し穿つ死棘の槍を真名解放すれば麻生と愛穂の約束など関係なくミーシャの心臓を穿つ。
麻生は槍を握りしめミーシャ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ