第一章 無印編
第五話 『なのは、魔法少女になる』
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ホちゃん!」
なのははシホが協力してくれるようでとても喜んでいた。
そして士郎達も高町家に来てからシホの遠慮がちではない初めての真剣なお願いに快く了承してくれた。
シホは飼ってもいいという報告を聞いてすぐに感謝の言葉を伝えて、なのははシホに抱きついて「ありがとー!」と言ってくれたので、シホも「どういたしまして」と言った。
その夜、シホは道場で結界を構築し干将・莫耶を投影して一人で稽古をしていた。
《お姉様!》
《フィア? どうしたの?》
《助けてください! 危険が…危険が迫って…ッ!》
だが、急に思念通話でフィアットの助けの声が聞こえてきたが、すぐになにかの妨害で途切れてしまった。
だからシホはもしもの場合を考えてこの体に合った聖骸布の上着を投影して羽織り家を飛び出そうとした。
だが、ふとなのはの気配(というより魔力)が家から離れていく感じがした。
この事態にシホはフィアット達だけではなく、なのはにも危険が迫っていると即座に判断し、すぐに家を飛び出した。
だがシホが家を飛び出した所には士郎、恭也、美由希が立っていた。
「士郎さん…」
「なのはがどこかに行ってしまって探していたけど、シホちゃんまで…一体どうしたんだい?」
「…今は私にも分かりません。ですがなにかなのはの身に危険が迫っているのは確かです。だから、少し出かけてきます」
「シホちゃん…」
美由希がシホの身を案じる。
シホの境遇を少なからず知っているだけに戦いというものにはもう関わって欲しくないというのが三人の共通の本心だった。
だけどシホは笑顔を浮かべて、
「大丈夫です。必ずなのはも連れて帰ってきます。ここは…私の帰ってこれる家で、迎えてくれる大切な家族がいますから…!」
三人は驚きと同時に顔を笑みで綻ばした。
シホは笑顔を浮かべながらも、次の瞬間には目を細めて魔術師の顔を前面に出し、
「同調開始…!」
と、呪文を唱え身体を強化しなのはの魔力の跡を常人が出せるかどうか怪しい速度でシホは駆けていった。
美由希は、
「シホちゃんが…初めてあたし達の事を家族って言ってくれたよ!」
と言って恭也に嬉しさのあまり泣きついていた。
そして士郎と恭也も、
「もう安心かな? 今のシホちゃんは最初に会った頃の危うさが幾分軽くなっていた」
「そうだな、父さん…」
三人はシホの姿が見えなくなった方をじっと眺めていた…。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
(少し恥ずかしい台詞をいったかな…)
私は高町家から出ていった時の言葉に、そう思いながらも走る速度を緩めずに走っていく。
……―
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