第4章 聖痕
第36話 影の国の女王
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効化する事も可能です。
但し、俺自身が行使出来ない五行に属する属性を無効化する為には、術を封じて有る呪符を持っている必要が有るのですが。
「ここではない、何処か別の世界での出来事ですよ」
スカアハが、少し懐かしそうにそう言った。
その一瞬後、スカアハの周囲に無数の槍が浮かび上がる。
……って言うか、あんな物を真面に食らったら、いくら魂魄のみの存在だからと言っても、無事に終わる訳がないでしょうが。
いや、魂魄のみの存在で有るが故に、完全に魂ごと消される可能性が高いですよ?
次の瞬間、スカアハの腕が振るわれた後、その空中に現れた全ての槍が俺に向けて放たれた!
「ええい、これでは、その依頼の内容を聞く前に死ぬって言うの!」
自分目がけて殺到して来る無数の槍。
最初の三つまでを空中を右にスライドするかのような動きで躱し、其処から重力に従って半瞬落下。次に左へ半歩分ずれる。
そこで、口訣と導引を結ぶ刹那の瞬間を得て、一気に周囲に雷公の腕を召喚。
その瞬間、俺を貫こうとした槍が周囲に降らされた雷光により、地上に破壊の爪痕を残しながら、次々と撃墜されて行く。
しかし、本当にあの女王様は、俺に何かの試練を与える心算が有るのですか?
これでは、その試練の内容を聞く前に、現世にさよなら、なんて言う事に成りかねませんよ?
そもそも、空間を三次元的に機動出来る俺でなければ、あんな地点攻撃に等しい攻撃を回避する事は不可能でしょうが。
槍自身に爆発するような仕掛けが為されていなかった事が幸いしてか、全ての槍が地上に落下後に巨大なクレーターを作った後も、俺は空中に留まる事が出来て居ました。
全て実力で回避仕切りました、と胸を張って証言をする事は流石に出来ませんが……。
しかし、これでは何時まで経っても、双方とも決定打に欠ける戦いしか出来ませんね。俺の方は、魂魄のみの存在故に全能力を使って戦う事が出来ず、スカアハの方も、アストラル体である俺に対しては、必ず心臓を貫くと言う伝承を持つ魔槍ゲイボルグの能力が無意味と成るので、どうしても決定打に欠けます。
もっとも、俺が、このアストラル体の身体の胸にも心臓が有ると思い込めば、ゲイボルグは間違いなく俺の胸……心臓を貫き、死亡する事と成るのですが。
まぁ、良いか。それに小細工ならば得意分野。
俺は滞空したままの姿勢から、現出させた如意宝珠製の七星の宝刀を抜き放ち、そして、そのまま無造作に振り抜いた。
次の瞬間、20メートルほど離れた地上に立つスカアハの元で上がる血風。
度々使用している、空間を捻じ曲げて、離れた位置に存在する敵に直接攻撃を届かせる仙術。
使用頻度が高い技ですが、これは決定打には成
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