第4章 聖痕
第36話 影の国の女王
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ったとしても。
静まり返ったカジノに、俺の賭けの成立を宣言する声のみが響く。
カードがオープンされる瞬間、かなりの緊張感が走る。いや、緊張が走るのは何時もの通りなのですが、今回に関して言えば、初めて相手の手札が判らない状態での勝負だった為に、俺が緊張したと言うだけの事。
そして、その緊張の中で、開かれるふたりのカード。
ファントムは、7のスリーカード。
タバサの方は、Aと9のフルハウス。虚無のカードを含む。
カジノ内を安堵と感嘆のどよめきが駆け抜けて行った。まぁ、観客たちの方から見ると、このカード勝負は、普通の勝負に見えているからなのでしょう。
まして、得体の知れない仮面を被ったカジノの支配人を、金髪、蒼い瞳の少女がカード勝負で圧倒しているのですから、タバサの方が観客の心を掴んでいたとしても不思議では有りません。
しかし、矢張り、ファントムの方はずっと役を作り上げています。
確かにストレートや、フラッシュを狙った挙句のブタなどと言う物に成っていないだけの可能性も有りますが、それにしても、このツキは異常。そもそも、俺の感覚から言わせて貰うなら、ツーペアなど四、五回に一度ぐらいの頻度でしか出来上がらない役だと思います。
しかし、同時にこれで四勝四敗のイーブン。更に、積み込みを行った山は後二つ。
俺がポカをしない限り、このカード勝負はタバサの勝利に終わるはずです。
……そして、再び視線を感じる。
また現れたのか。
先ほど、この勝負を見つめていた黒髪の少女……の姿をした何者かが。
いや。もう、気にする必要はない。彼女から感じるのは危険な雰囲気ではない。
ならば、ゲームの方に集中すべきでしょう。
そして、第九戦に関して……。
正直に言うと、ここで勝利を収めると、第十戦は素直に降りて勝負を流しても五勝五敗と成り、勝負で得たチップの枚数勝負と成ります。
そして、タバサの敗戦は、すべて勝負を降りた敗戦。
片やファントムの方は、すべて勝負に出ての敗戦。
この状態なら、負けるはずはないでしょう。ならば……。
【切り札を使うで】
俺の【念話】に、タバサから了承を示す念が返される。
この山を使うと、ファントムの方には確実にツーペアから、小細工を行わなければフルハウスへと進む。
そして、タバサの方には、魔法使いの10、J、Q、K。そして、Aのロイヤル・ストレートフラッシュが最初から配られている。
尚、この世界では、騎士……つまり、スペードよりも、魔法使い……クラブの方が上に成るルールです。
普段通り、綺麗にふたつに分けたカードの山を両手に持ってリフル・シャッフルを二度行い、そこから
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