第4章 聖痕
第36話 影の国の女王
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り得ない攻撃でも有ります。
何故ならば、打撃力が低過ぎますから。
確かに、相対しているのが人間レベルの防御力しか持ち得ない存在ならば、先ほどの一太刀で袈裟懸けに斬り捨てて居たでしょう。しかし、スカアハ相手では、おそらくは表皮一枚斬り裂いた程度の打撃力しか有りません。
但し、伝承上のスカアハには、ティンダロスの猟犬やショゴスのような不死性や再生能力に当たるような伝承は有りません。つまり、継続して打撃を与えて行けば相手の方が焦れて、俺の間合いに入って来る可能性が高いと言う事。
その時が勝負です。
刹那、スカアハが地を蹴り、空中に滞空する俺に肉薄する。
それは当然。スカアハは風を統べる存在。空を飛ぶ事が出来ないと思う方がおかしい。
必ず心臓を貫くと言う呪が籠められた魔槍が俺に肉薄した刹那!
何か。そう、黒き縛めがスカアハの身体の経絡を封じる形で拘束し……。
その瞬間、自らを颶風と化し俺に肉薄して来ていたスカアハの動きが一瞬、ほんの一瞬止まった。
そして、次の瞬間。
魔槍を左わき腹の皮一枚を犠牲にして躱し、彼女の目の前に七星の宝刀を突き付けた俺と、
黒く、細い糸……いや、突如伸びた俺の髪の毛に、その身を拘束されたスカアハの姿がそこに有るだけでした。
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