第4章 聖痕
第36話 影の国の女王
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いました。
次は、少し気合いを入れるとしますか。
第八戦。
タバサにAのペアと虚無のカードを送り込む。
これで敗れるとは思えませんから。
しかし……。
【シノブ。ファントムの手牌が覗けなくなったのです】
ダンダリオンの緊急事態を告げる【念話】。普段から落ち着いた雰囲気とは程遠い彼女なのですが、今回はかなり切羽詰まった雰囲気。
しかし、手牌が覗き込めなくなる?
【ハルファス。ファントムの周りに結界の類が張り巡らされているか?】
一応、一番可能性の高い方法を、ファントムが為したかどうかについて聞いて見るべきですか。そう思いハルファスに【念話】で問い掛けてみたのですが……。
もっとも、正確に表現するのなら、一番、簡単に為せる方法について聞いてみたが正しいのですが。
【いや。そんな雰囲気はない。そもそも、対魔法用の結界で自らを包んで仕舞うと、ディテクトマジックに因って、その結界を察知されて仕舞う】
そうハルファスが答える。結界術のエキスパートでも有るハルファスが感じ取る事が出来ない結界を施すのは難しい。
少なくとも、俺には無理です。
だとすると……。
【ダンダリオンの鏡能力を上回る何者かが、介入して来ていると言う事か】
それが、現状では一番可能性が高いですか。
まして、このパターンはフレースヴェルグの時に前例が有りますから。
しかし、これで、このカジノが何らかの神の加護を受けているカジノで有る可能性が高くなったと言う事ですが。
それに、ファントムの異常なまでのツキが、何らかの神の加護に因る物だと想定したら割とすっきりしますから。
何故ならば、ヤツはワンチャンス・ポーカーで、イカサマを使用する事もなく、ずっとツーペア以上の役を作り続けて来ました。
これは、何らかの形で因果律に細工が行われていた可能性を示していると思いますから。
【フルハウス】
タバサが非常に簡潔に用件のみを伝えて来ました。
この役に勝つにはストレート・フラッシュでも用意しなければならないので、普通に考えるのなら負ける事は有りません。
しかし、今はどの程度まで因果律が操られているのかが判らない以上、少しの不安が付き纏うのですが。
ファントムが、俺の不安感を嘲笑うかのような非常に落ち着いた雰囲気で、チップを積み上げて来た。
……今度は、かなり大きな枚数を。
そして、その勝負をまったく意に介さないような自然な雰囲気で受け入れるタバサ。
それに、彼女が表情を変えたのは、夢の世界でショゴス(仮)から助け出した時に魅せた表情だけ。
この程度のカード勝負で表情を変える訳は有り得ません。
例え、貴族の年収が吹っ飛ぶレベルの賭け金だ
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