SAO編−白百合の刃−
SAO2-黒と白
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を求めるも、プイッと顔を反らして手を払い発言する。
そう言っているけど……。ドウセツって、クールで毒舌に接しているけど、完全に人を拒絶する人じゃないことわかっている。
「勘違いしているでしょうね?」
悟られても問題はない。
「だって、馴れ合いが好まないんだったら強制連行されたとはいえ、隙をついて逃げればいいのに、帰るとか言いながらちゃんといてくれるし、それに無視せず返してくれる。私ね、ドウセツって優」
ちかっ、と目の前を銀色の閃光がよぎった。いつの間にか、右目の視界はナイフが映っていて、ピタリと私の目先に据えられていた。
「速いな……」
兄も思わず口に出す速さ。武器だったら間違いなくやられていた。
凄まじいスピード、軌道なんてまったく見えなかった。
「それ以上言ったら……わかっているわよね?」
引き吊った笑いとともに、私は両手を軽く上げて降参のポーズを取った。
そして、ドウセツはナイフを戻してため息。
「わかったわよ……仕方なく組んであげるわ」
「ほ、本当!?」
「好きにして」
ドウセツらしいくやけくそになり、晴れて私とドウセツのパーティーが出来上がった。
「じゃあ決まりね。キリト君とわたしは明日の朝九時、七十四層のゲート集合ね」
「やっぱり強制的なのか? 俺にも……わ、わかったから、戻せ!」
アスナの右手のナイフが持ち上がり、強いライトエフェクトを帯び始めるのを見て、兄は慌ててこくこく頷いた。反撃なんて最初からなかったのよ。
「私達はどうする?」
「九時頃、五十ニ層『フリーダムズ』に来て」
「そこって……何もないところじゃないの?」
「だったら来る? 自分の目で確かめたら?」
こ、これは……まさかの。
お持ち帰り!?
「そ、そんな、まだ早いって〜!」
「何勘違いしているか知らないけど、貴女が思っていることとはまったく違うから、自らの無意味な妄想に失望しなさい」
ちょっと、もうちょっと期待に膨らませて、希望を抱いていても……。
「何もしませんので、お泊まりさせてください!」
「何かするつもりだったのね……早くも解散しましょうか?」
「そ、そこは勘弁して! なんなら望み通りに罵られ役、ペットプレイ、SMプレイでも構わないから!」
「そんな性癖はないから変態」
「じょ、冗談だって」
「戯言でしょ?」
戯言とは失礼な。いや、冗談だからあんまり上手く言えないのよね。言ったらなんか誤解されていきなり解散させられるから、沈黙を通そう。
こんなくだらない会話でも、明日になれば文字通り命がけで攻略か……。
なんだか、急に冷めちゃたな。急に不安になっちゃったのかしらね。
デスゲームが開始されてから二年
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