暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO2-黒と白
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だよ。俺はあの街が気に入っているから」
「いかにもお金がなくて計画性のない、無駄使いの言い訳ね」
「うっ……」

 グサッとドウセツの毒舌を食らってキリトは言葉が詰まった。

「じゃあ、私達も着替えよ?」
「別に私はこのままでいいわ」
「いいから来る!」
「馴れ馴れしく掴まないでくれる?」
「こうでもしないと、ずっと拒むでしょ?」

 とりあえずドウセツの冷淡な声音に負けずに、キリトの視線が映らない場所へ移動した。
 着替えって言っても、ドウセツは武装を解除しただけで、私は戦闘用のコートと武装を解除しただけだけどね。
 着替えは実際に脱いだり着たりの動作があるわけではなくて、ステータスウィンドウの装備フィギュアを操作するだけなのだが、着衣変更の数秒間は下着姿の表情になってしまう。兄妹だからと言って、キリトには見せたくないものだ。
 私達の肉体は3Dオブジェクトのデータにすぎないと言ってもね。体は体よ。二年も過ごしてしまうとそんな認識は薄れかけているけど、私はちゃんと認識しているつもりだ。恥じらいも女の子には必要だ。
 着替えて、ラフな格好になったところで、テーブルに『ラグー・ラビットの肉』をオブジェクトとして実体化させ、置かせる。後はアスナにまかせよう。

「これが伝説のS級食材かー……で、どんな料理にする? はい、キリト君」
「シェ、シェフお任せコースで頼む」
「ドウセツは?」
「ちゃんとしたものなら何でもいい」
「キリカちゃんは?」
「愛がいっぱいのラブリー料理」
「え、えっと……じゃあ、ラグーだから煮込み系か……シチューにしましょう」

 私の時だけ顔引き吊ったよね? 確かにまともな答えじゃないが、二人と比べてわかりやすいでしょうよ。
 苦笑い気味になっていたアスナは隣の部屋に向かって調理開始した。
 ソードアート・オンラインの料理は簡略化されていて、たったの五分でラグー・ラビットのシチューが完成する。それは、やっぱり料理スキルをコンプリートしたアスナの腕でもあって、てきぱきした無駄のない動き回りに、無数にストックしてあるらしい食材アイテムを次々とオブジェクト化しては、淀みない作業で付け合わせを作っていく。現実とくらべては省略しすぎて料理を作るよりかは、料理ゲームをしている感じに近い。アスナの場合、作業とメニュー操作を一回もミスも無くこなしていく、その動きこそが美味しさに繋がるんじゃないかと食べる前から勝手に想像してしまう。妻としては完璧だけど、キリトの恋人候補にもったいないと本音を漏らしそうになる。

「「いただきます」」

 意外にもドウセツは食材に挨拶して、キリトとアスナはいただきますを言わず、スプーンを取って、最上級の食べ物をあんぐりと頬張った。気持ちはわからなくないけどね。私も
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ