第五話 初戦闘――その後
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さて、とりあえずやってきたのはどこかの公園。
何故こんな場所にやってきたのかというと、
『そういえばマスター。彼女の住んでる場所は知っているんですか?』
「そういや知らないな……」
『だったら何で拾ってきたんですか!?』
「いや、そんな猫みたいな扱いをするなよ……」
そんなやり取りをしながらテスタロッサの住んでいる場所をよく覚えていないという事実が判明したため、テスタロッサが目覚めるまで待っているという状態だ。
「暇だー」
『暇ですねー』
そんな状態なのだが、何より暇なのだ。
傍から見てさっきまで戦闘をしていたなどといっても信じられはしないぐらいにだらけきっている俺。
だらけながらも今日の晩御飯はどうしようかな……。などと主婦のような事を真面目に考えていると、テスタロッサが起きだす。
「よぉ」
「……? 貴方は……!」
そんなふうに話しかけるとテスタロッサは一人で悩んだり、驚いたりしている。
自己完結をしてくれるのは有難いがその反応では何を解決したのかさえ解からん。テスタロッサに会ったのはこれが初めてのはずだが……などと一人で考えこむ。
「なぁ?」
「……」
さすがに前世でも無言で睨みつけられることはなかったなぁ。「やい、兄ちゃん」とか言いながら睨みつけられたことは多々あったが……。
「セレネ。俺なんか恨まれるようなことしてたか?」
『さぁ? 私には心当たりはありませんが?』
「やっぱり魔導師……」
「ん? セレネお前が原因みたいだな」
『いや!? これは私ではなくマスターに問題があるでしょう!?」
なこたぁ、分かってるっての。ギャグっぽいことでも言ってないと俺の心が持たないんだよ!!
普通に会話が成立すれば問題はないのだが、さっきからテスタロッサがほぼ無言で俺とセレネのテンションが明らかに空回りしている。
誰か、俺に会話術を伝授してくれ。
などと心のなかで叫んで誰も助けてくれるはずがない。
「貴方が……さっき私を助けてくれた魔導師?」
そんなよく解らないパニック状態に一人で陥っていた俺を助けてくれたのは他でもないテスタロッサだ。
さすが。うちのデバイスの何倍も力になってくれる。
「まぁ、そうだな」
「でも、何で?」
「さぁねぇ? 俺にも解からん」
実際の助けた理由を話したところで、原作がどうのこうのなんて話を理解してくれるとも思えないしな……。
「……」
「ま、実際人間の行動理念なんて結構簡単なものだって、どっかの学者も言ってた気がするしな」
結構適当な理由でその場を締めくくるが、テスタロッサはなんだか納得していない様子だ。
基本的に嘘しか話していないためその顔も妥当だが……。
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