暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第12話 帰る場所
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「その後……モンモランシーとアナスタシアが、すごく優しくなった」

 聞かなかった事にしておきます。と言うか食べ終わりましたし、そろそろルイズは寝た方が良いと思うのです。まだ船は漕ぎ出していませんが、目が少し眠そうです。部屋に帰り着く前に力尽きられても困ります。

「そろそろ眠いのではありませんか? 無理をせずとも、話なら明日出来るでしょう」

「うん。……少し眠い」

 やはり、もう解散した方が良さそうですね。まあ、私は全然眠くないのですが。

「お休みなさい」

「はい、お休みなさい」

 ルイズに就寝の挨拶を返し別れると、私は館の中を少し歩く事にしました。ベッドに入っても、眠れそうにないからです。

 暫くしてから、足音が聞こえました。足音からして、たぶん大人の男の人だと思います。

 私は予想が合っているか確かめたくなって、足音の方に移動します。私の予想は的中していました。そこにいたのは、絵でしか見た事の無いモンモランシ伯爵だったのです。何故こんな時間に、モンモランシ伯がここにいるのでしょうか?

 確かめてみたくなった私は、モンモランシ伯爵の後をつけてみます。

 伯爵は部屋に入って行きました。すぐに部屋の前に移動して、中の音を拾います。部屋の中には、母上と知らない男の人2人(うち1人がモンモランシ伯)それに、知らない女の人1人で最低4人は居る様です。拾った声と音から察するに、知らない男女はヴァリエール公爵と公爵夫人の様です。

 中の人達は一通り挨拶をすると、機密性の高い話をするのかサイレントを使いました。これでは、中の声と音を拾えません。その場は諦めて、元の部屋に戻る事にしました。



 離れに入った所で、使用人がこちらに走って来ます。

「……あっ」

 しかし、向こうは相当急いで居た様で、暗がりに居た私に気付きませんでした。呼び止めようと思った時には、既に距離が離れて過ぎています。

「まあ良いか」

 目覚めた事を、母上達に伝言をして欲しかったのですが。……それほど重要な話でも無いですし、後でも十分でしょう。






 この認識が甘すぎた事を、私は後で後悔する事になるのでした。
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