後日談10 三送会、そして卒業式
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『彼が私の所に来たのは本当にくだらない事でした。2年生の神崎大悟君と加藤桐谷君、どっちがイケメンだと思うかアンケートしてるから協力してくださいとそう言ってきたんです。くだらない内容だと思いましたが、確かに神崎君も加藤君も女子からはかなりの人気がある2人でしたので、面白いと思って協力したのが始まりでした』
確かにすんなり協力してくれた事に多少驚いてたけれど………
『その企画の司会をやったのは零治君とはやてさんの2人でした。彼らの息のあった司会だからこそあの企画は成功しました。この時思ったんです。彼らだったらもしかしたら皆が楽しめる学校作りが出来るんじゃないのかって』
そのときから俺達の事を………
『その考えは間違ってませんでした。彼らに協力してもらった企画で学校はどんどん明るくなっていきましたし、みんなも楽しそうでした。それを見て、彼らだったらこの学校を変えられる、そう確信したからこそ零治君に生徒会長を頼みました。その事は間違ってなかったと心から思います』
『だからこそ、私は言います。私は学校を変える機会を作っただけ。後は零治君達2年生次第です。みんな頼むわねこの中学校を、私達の時よりももっともっと楽しく皆が笑い会える学校に………卒業生代表、水無月楓』
そう言って先輩も深々と頭を下げた。
生徒会選挙前に話した時よりも先輩の心の内を聞けた気がする。
何だか本当に最後なんだという実感が湧いた気がした………
2度目なので先生方も来賓のお客さんも保護者も動揺は少なかった。
『校歌斉唱、皆さん、ご起立下さい………』
そして卒業式も終盤に差し掛かった………
閉会の言葉も終わり、卒業生卒業となるこの場面。
俺達の考えている最後の企画、それを実行する為に準備をしているとき、事件は起こった。
『待ったっス〜!!』
いつものっス〜という軽やかな口調。
「おい、はやて………」
「わ、私も何も聞いとらんよ………」
しゃがみながらはやての席に向かい、確認するがはやても何も知らないみたいだ。
『先輩〜!この魔術師、ウェンディ・イーグレイから囁かなプレゼントを送るっス〜!!』
ステージ中央に突然現れたウェンディはタキシードにシルクハット、そしてステッキにマントといかにもマジシャンって感じの服装で言葉通り突然現れた。
体育館にいる全員驚き、先生達でさえウェンディの行動を見ているだけになっている。
『皆、上にある時計を見るっス〜!!』
そう言ってステージ上にステッキを上げるウェンディ。
ステージの上のスペースには以前にウェンディのいたずらで変わったファンシーな時計が動いている。
『しっかり注目してるっスよ………1、2………3!!』
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