後日談10 三送会、そして卒業式
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継ぎ、今以上に楽しい学校を創ると言いましたが、まだまだ力不足を痛感します。やはりそれほど先輩達の存在は大きく、甘えていたんだと思いました………だけどそんな先輩達も今日で卒業です。いつまでも心配ばかりかけてしまうだらしがない生徒会長ですが、弱音はここまでにします』
もう一人称が俺になってしまっていたが、気にせず話を続ける。
『先輩達が卒業すれば俺達2年生が最上級生になります。もう頼れる先輩達もいません。だからこそ今日までで弱音を吐くのは終わりにし、新たに宣言したいと思います』
そう言って一度深呼吸した。
「俺は必ず先輩達に負けない最高の学校をみんなで創りあげます!!だから先輩達は安心して卒業してください!!今年の文化祭は楽しみにしてて下さいね!!そしてまた一緒に楽しみましょう!!」
マイクを使わず、大声で宣言した。
『生徒代表、生徒会会長有栖零治』
そう言って俺は深々と一礼してステージを降りた。
途中、先生や来賓のお客さんの顔を見たが、皆が険しい顔や怒った顔で俺を見ている。
保護者からもざわざわと不満そうだ。
だけど………
「良いぞ!!生徒会長!!」
「文化祭期待してるからな!!」
3年生からは大きな拍手と声援が巻き起こった。
「それだけ聞ければ満足だ………」
先生達からは大目玉だろうがな………
『続きまして、卒業生答辞。生徒代表、水無月楓』
「はい」
俺の送辞に今度は水無月先輩の答辞だ。
こつこつとゆっくりとステージに歩いていく。
『答辞。………まあ私も零治君と同じ様にやらせてもらいます』
と言って早々答辞の紙を懐にしまう先輩。
流石の俺の予想外だった。
元々超優等生として生徒会長になった水無月会長。
そんな先輩がこんな大きな舞台で俺の様なマネをするなんて思えなかった。
『私は去年の学業優先という学校のスローガンが大嫌いでした。3年しかない中学校生活を行事を極端に少なくして勉強の時間を多くする。………将来的に考えればとてもいい考えかもしれません。この3年の頑張りでこれから先の道が決まると言ってもおかしくないのですから。だけど納得出来ない自分がいました。ただ学校に来て勉強をする………その為に中学生活があるのかって………だからこそ私は生徒会になり、もっと皆で楽しい学校を作ろうと思いました』
今までの中学校生活を思い出すかのように話す先輩。
『だけど私だけではどうしても企画も思いつかず、苦悩する日々が続きました。とてもじゃないけど私にはそんなアイディアは思いつきませんでした。そんな時に会ったのが今の生徒会長、有栖零治君です』
いきなり名前を言われ、本当に驚いた。クラスだけでなく、周りの皆が俺に注目した。
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