後日談10 三送会、そして卒業式
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う話がベストなのかも。
『彼女はもういない。誰かを事を愛したのは覚えているのだが、顔も名前も思い出せないらしい。それが辛くて彼女は君とはもう会わない事を選んだ。完全に忘れ去るために。だからこそ今まで書いていた絵日記を捨てたんだ』
物語は終盤に入った。俺達含めた全校生徒全員が劇に見入っていた。
『くっ!?』
『どこへ行く?』
『決まってる彼女に会うんだ!!』
『行ってどうする?お前にあの子が救えるか?あの子はお前の為に今までの記憶の絵日記を捨てたんだぞ?』
『俺はそんなの嫌だ!いくら忘れられても、俺はあの子が好きなんだ!!』
『だがどうする?もう絵日記も無い、彼女は既にお前の事を忘れているぞ?』
『探す!!バラバラに散らばった絵日記を集める。全部は集まらないだろうけど、無いよりはマシだ』
『………しかし、お前が見つけている間に彼女は完全に忘れてしまうぞ?』
『まだ時間はある。俺は諦めない、絶対に!!』
その後は色んな場面で絵日記を見つける主人公。全部で集まった絵日記は400ページ中22ページ。
それでも主人公の悠は彼女の元へ走った。
初めて彼女と会った、町外れの神社に。
彼女の記憶が持つ時間ももう短い。それに行った所で彼女が居るかどうかも分からない。
だけど悠はいると感じていた。
そしてその場には悠の望んでいた人物がいた。
ベンチに座り、この町の景色を見ていた。
『知っています?ここの夕日はこの町で一番綺麗に見えるんですよ』
彼女は景色を見たままそう話しかけた。
『ああ、知ってるよ。俺の好きな人がここの景色が大好きだった………俺もここから見る夕日が大好きだ』
そう言って悠は女の子に近づく。
『これ、美沙のだろ?やっぱり町中探し回ってもこれが精一杯だった。本当にごめん………』
彼女の後ろからそう言って21枚の絵日記を渡す。
湖に浸かって字が滲んでいるものもあれば、泥に落ちて汚くなっているものもある。
『美沙、君が1日の記憶が持たなくなったっても、俺の事を何度も忘れてもずっと君のそばにいる。俺は君は好きなんだ。何度忘れても、何回でも好きだと言い続けるよ。だから………』
そう言って悠は美沙の正面に向かう。
『俺とずっと一緒に居てくれ』
俯いたままの彼女にハッキリと言った。
『………悠君はバカだよ………バラバラにした絵日記を拾い集めるためにそんなにボロボロになって………このページなんて字が滲んで読めないよ………』
顔を上げた彼女の顔には涙が流れているが、とても嬉しそうだった。
『どうせバカだよ俺は………』
『だけどそんな悠君だから私も………希望があると思えた………』
そう言って彼に抱きつく。
『こんな私だけどどう
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