女の子と出会いました
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だ。
「梳かす感覚はあるのか?」
『んー? あるにはあるけど、かなり微妙だよ。大雑把な感覚って言うか、
こっちでお風呂に入る感覚と似てるかな、精神的な物だけど、やっぱり気分の問題かな?』
「そっか」
暫く髪を梳かしていると女の子が居眠りを始めていた。
ちょっと退屈だったかな?
俺はそっと女の子との距離を詰めた。
そして起こさないように女の子の背中を胸に抱き寄せる。
小さな寝息が聞こえる。
こいつは何でこんな所まで来たのか?
きっと相当なストレスを溜め込んでた筈だ、そうでなければ『願い』なんて曖昧な物で此処に辿り着ける筈が無い。
『…………あれ? 寝ちゃってた?』
「少しだけな」
『もう少しこのままでも良い?』
「あぁ」
女の子が振り向いて俺の胸に頬を当てながら見上げてくる。
俺も女の子と目を合わせて暫く時間だけが過ぎ去って行った。
『ねえ?』
「…………なんだ?」
『強く抱きしめて』
「ふとももに座るか?」
『うん』
女の子が一度立ち上がり、俺は胡坐をかいた。
そして女の子は俺の肩に手を置いて、足を広げ俺に跨ろうとする。
「待て!」
『え?』
不思議そうな顔をするな。
「――――足は揃えて座れ」
『こう?』
女の子が人魚座りで俺のふとももに座った。
俺の首に腕を回して抱きしめてくる。
柔らかい髪の毛と耳の尖った感触が頬をくすぐる。
『本当は正面から思いっきり抱きしめたかったんだけど』
「ベッドの上ならやってやるよ」
『じゃあ、今直ぐ宿屋に行こうか、この近くだと…………』
「おいおい。宿なんて取れるか、今のお前は此処に居ちゃいけない存在だろうが」
『えー?』
「残念そうな顔をするな、他のプレイヤーに見付かったらどうするんだよ?
それに、NPCがお前を客として認識できるか判らんしな」
『外でも良いよ?』
「アホか…………そうだな、もう少し混乱してきたら――――ドサクサで抱いてやるよ」
『――――ホント? 約束だからね?』
「あぁ、約束だ」
『じゃあ、約束の証にキスして』
「…………目を閉じろ」
女の子が目を閉じた。
俺はそっと女の子にキスをする。
夜明けが近くなった月明かりの下、俺達は街を東に歩いていた。
女の子はご機嫌斜めだ。
『…………………………………………頬っぺただった』
「頬でも誰かにこんな事するのは初めてなんだ、我慢しろ」
『……………………初めてなら許す、許してあげる』
「そろそろ街外れだな、俺はこのまま狩りに出る」
『着いて行っても良い?』
「手は出すなよ
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