第29話
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それを証明する手段はあるか?」
「証拠なんて、ねーよ。
そもそも俺は魔術なんて何も知らねーんだし。」
上条の言葉にミーシャは理解できていないのか首を傾げている。
神裂はため息をついて言った。
「一応、我がイギリス清教必要悪の教会の公式見解ぐらいなら解答できますが。」
そう言って神裂はミーシャに説明を始める。
上条は魔術知識がなく、御使堕しを引き起こせるとは思えない事、超能力者が魔術を使うと肉体に負担がかかるがそれが見当たらない事、上条が御使堕しの影響を受けないのは彼の右手、幻想殺しの作用によるものだと。
ミーシャはそれらの説明を聞くとジロリと上条を、正確には上条の右手に視線を向ける。
どうやら、幻想殺しと言うフレーズに引っ掛かっているらしい。
「数価。
四〇・九・三〇・七.合わせて八六。」
ズバン!!とミーシャの背後で床下から噴水のように水の柱が飛び出した。
どうやら水道管が破れたらしい。
「照応。
水よ、蛇となりて剣のように突き刺せ。」
ミーシャが続けて言葉を続けると水の柱が蛇のように形を変えると、何本も枝分かれして槍と化した水流が勢いよく襲い掛かる。
その内の一本が迷うことなく上条の顔面の真ん中へと向かってきた。
「うおっ!?」
上条は咄嗟に右手でガードすると、水槍は水風船のように弾けて四方へ飛び散った。
ミーシャは注意深く床に飛び散った水を観察して言う。
「正答。
イギリス清教の見解と今の実験結果には符合するものがある。
この解を容疑撤回の証明手段として認める。
少年、誤った解の為に刃を向けた事をここに謝罪する。」
上条は全然謝っているように見えないミーシャに色々ツッコもうとしたが出来なかった。
なぜならミーシャは麻生にノコギリの刃を首筋に当てていたからだ。
対する麻生もミーシャの首筋に手に持っていたナイフの刃を当てている。
しかし、ミーシャは驚く事無く先ほどと変わらない機械的な声で言った。
「少年にした問一を再度聞く。
御使堕しを引き起こしたのは貴方か?」
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