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木の葉詰め合わせ
本編番外編
とある兄弟シリーズ
とある妹の危惧
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須佐能乎みたいな鎧が無い分、肉弾戦じゃあ私が不利だなぁ……。かといってあまりにも距離を開きすぎると木遁の制御が危うくなるし……。次に会う時までにそれの対処法を考えておかないと」

 ミトが見守る中、斜めに付けられた顔の刀傷が塞がっていく。
 特にその事を気にする素振りを見せる事も無く、その人はぶつぶつと小さく呟きながら次に敵対する時を想像している。
その姿は、ミトが今までに見たことは無い程――愉しそうで。

「そうだ! 土遁で大穴開けて、地面に落とした所で樹界降誕を食らわせるっているのはどうだろうか……? でもそれは前に試したから向こうも警戒しているだろうし……、となると」
「柱間様」
「ん? どうしたの、ミト?」

 にっこりと振り向いたその人の笑顔は常と変わらない……その筈なのに、ミトはどうしてか寒気がした。

「柱間様。一体、どのような輩に手傷を負わせられたのです? ここ最近はこのような事は無かったのに」
「――ああ、ミトには話していなかったけ。うちはの頭領だよ。万華鏡とかいう目を開眼したうちは一族の天才だ」
「うちは……?」

 その名をミトは覚えている。
 どこか疲れた様にしながらも戦国の世の習いに従っていたこの人が、現状を打破しようと誓ったあの日の切欠となった事件を起こした一族だった。

「普通の写輪眼の時でも強かったんだけど、万華鏡になってからますます強くなっちゃってさ。他の忍びに使用していた様な手は使えないし、もう困るよ」

 言葉だけを聞いていれば、辟易している様なのだが。
 決してその言葉が本心ではないと言う事は、その表情と僅かに弾んだ声で分かる。

 この人は……、とミトは思い当たって背筋がぞっとした。
 ミトの最愛の姉は……戦争を愉しみ始めているのではないだろうか。

「柱間様……。その……」
「ミト?」
「いえ……。なんでもありません」

 不思議そうに首を傾げるその人に、ミトは敢えて微笑みで返してみせた。
 向かい合ったその人の体には最早傷跡など欠片もなかった。



「扉間、あなたはここ最近の柱間様についてどう思う?」
「――――そうか、お前まで……」
「……扉間? それってどういう……」

 黙って武具の手入れをしていた扉間の隣に腰を下ろす。二人のいる和室の開かれた障子の先には広い中庭が見えて、そこでは彼らの大事な姉が子供達と戯れているのが分かる。
 子供達に稽古をつけているその姿は、今までと変わらない様に見える。

「一族の中でも、極僅かにだがそういった声が上がっている。頭領は何を考えているのか、とな」
「戦を楽しんでおられる様に見えるわ……正直な所」
「半分外れだ。確かに姉者は戦が始まるのを愉しみ始めている……が、正確にはある相手と
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