暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第28話
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っきり御使堕し(エンゼルフォール)の影響を受けているらしい。
土御門や神裂のように以上に気づいている人間の方が稀なのだ。
注文を取った巨大な店主がどすどすと店の奥に消えていくと、インデックスが頬に手を当てながら神裂の方を見て言った。

「あらあら、それにしても随分と日本語が達者なのね。
 おばさん感心しちゃったわ。」

神裂は一瞬ビクッと肩を動かしてしまう。

「あ、いや、はい、お気遣いなく。」

神裂とインデックスは同じイギリス清教の人間だが、とある事情で絶交状態なので急に話しかけられると対処に困るのだ。

「あらあら、物腰も丁寧で、大柄でがっちりした人だからおばさん最初はもっと違うイメージを抱いていたのだけど。」

ぴく、と神裂の肩がわずかに動く。
だが、周りはそんな変化に気づく訳がない。
今度は美琴が率直な感想を言う。

「けど、その言葉遣いってちょっとニュアンスずれているわよ。
 だって、それじゃ女言葉っぽいもの。
 そんなガタイしてるのなら、少しずつでも男言葉に直していかないと。
 仕草もちょっとだけ女っぽいよ?」

ぴくぴく、と神裂の頬の筋肉がわずかに引きつる。
神裂は口の中で何かを呟いている、ちょっとだけって、と確実に呟いている。
上条はやばい、と気づき麻生は必死に笑いを堪えている。
ダメ押しで刀夜が言った。

「こらこら、やめないか二人とも。
 言葉なんてものは正しいニュアンスが伝わればそれでいいんだ。
 おそらく彼は日本人の女性に言葉を教わったからこうなっただけだろう。
 見た目がどうだろうがそんなものは関係ない。」

ピクビギ!、と神裂の身体のあちこちが小刻みに震えている。
上条が何かフォローを入れようとした時だった。
神裂の視界の端に麻生が必死に笑いを堪えている姿が映った。
ゆらりとゆっくり立ち上がるとがしっ!!、と麻生の襟首をつかみそのままズルズルと引きずられていく。
麻生が自分の失態に気づいたのは少し引きずられた後だった。
人目のない所まで連れ去らわれた後、抗議と苦情を麻生に述べる。
麻生は俺に言っても何の解決にもならないのでは?、と思ったがそんな事を言っても無駄だろうなと考え、適当に相槌を打ちながら聞いている。
そこで神裂はふと近くにある曇りガラスの引き戸を発見したようだ。

「言われてみれば海の家には風呂場もあるのですね。
 こんな事を明言するのもどうかと思いますが、トラブル続きでロクに湯浴みもしていない状態なのです。」

「お前、今この状況を分かって言ってるのか?」

「私情を挟んでいられない状態なのは心得ているのですが、いけませんね。
 あの子に笑顔を向けられる事に私はどうしても慣れる事ができないようです。
 私にはそんな資
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