第28話
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け回される愉快な人生を追体験中ぜよ。」
「それはまた大変だな。
そうなると火織も誰かと入れ替わっているのか?」
さっきからずっと黙っている神裂に聞いてみるとぴく、と肩がわずかに揺れた。
そして重苦しい声で神裂はいった。
「中身は魔術師「ステイル=マグヌス」」です。
世間から見ると私は身長二メートル強の赤紙長髪の大男に見えるそうですね。
おかげで手洗いや更衣室に入っただけで警察に呼ばれるし、電車に揺れているだけで痴漢に間違われました。
ええ、本当に驚きました。
始めは世界の全てが私にケンカを売っているように見えてしまって本当にどうしたものかと。」
上条は神裂の平たい声の無表情に怯え、麻生は神裂は話した状況を思い浮かべ珍しく、くくくっ、と笑いを堪えている。
どうやら麻生の笑いのツボに入ったみたいだ。
それに気づかず神裂は上条を犯人だと本気で思っているのか涼しい顔のまま、がしぃ!、と上条の両肩を掴んでいった。
「本当にあなたは何もしていないんですか?
本当は何かしたのではないですか?
正直に告白しなさい、怒りませんから。
私はもう嫌なのです、私はもうさっさと解決したいのです。
道行く人々から「妙に女っぽいシナを作る巨漢の英国人」など、と呼ばれるのは耐え難い苦痛なのだと言っています。」
そして眉一つ動かさず神裂は人間離れした恐るべき力でがっくんがっくん、と上条の首を前後に揺さぶっている。
「誰かコイツを何とかして止めてくれ!!
ていうか御使堕しってのは魔術なんだろ!
だったら超能力者の俺に魔術が使えるか!!」
ピタリ、と上条を揺さぶっていた神裂の手が止まる。
神裂は眉を寄せて困ったような顔になって言う。
「それでは八方塞がりです。
犯人が天使を使って何をしようとしているかも分からない以上、一刻も早く御使堕しを食い止めなければらないのに。
私はこれから一生「日本語は上手だけど何故か女言葉の巨漢外国人」として生きていかなければならないのでしょうか?」
上条は自分が悪くないのに何故か罪悪感に似た感傷を受けてしまう。
土御門は助け舟を出すかのように神裂に言った。
「こればっかりは一からやり直すより他に道はないぜよ。」
「しかし、彼の側には禁書目録がいます。」
「神裂ねーちんも三沢塾のレポートは見ただろう?
もしカミやんが御使堕しを使えば確実にこんなに健康体ではないぜよ。」
土御門の説明を受けて捜査がやり直しになってしまい一気にテンションが下がる神裂。
しかし、此処にもう一人の例外がいる事に気づく。
麻生恭介の存在を。
神裂の矛先が上条から麻生に移り変わる。
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