笛と温泉の使い方
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お願いします」
「何…最近パパを顎で使う様になってきた?」
「えぇ…ワイルドだろ!」
「………言い方が違うから減点!(笑)………レミラーマ」
息子と楽しそうに会話しながら、アイテム探し用の魔法を唱えるリュカ。
程なく地面の一点が輝き放つ。
直ぐさまリュカは、光る点を素手で掘り返し、土中に埋まっている『妖精の笛』を手に入れる。
「本当にあんなどうでも良さそうな情報が、貴重なアイテムへ導くなんて……」
リュカが手にする泥だらけの笛を見て、アルルが驚き感心する。
「でも泥だらけだな…こんな笛は吹きたくないよね………ちょっと洗ってくる!」
リュカはそう言うと、アルル達が見守る中、器用に温泉の垣根を取り外し、湯船にまで近付き笛を洗い始める。
「ちょっとリュカさん!な、何をやってるんですか!!?」
だがリュカの行動に叫んだのはアルル…
「何って…笛を洗ってますが…何か?」
「な、何か?って…何、自然な動きで女湯に入ってるんですか!?」
そう…リュカが入ったのは女湯で、しかも入浴客ありの状況だ。
入浴客達も突然の事で声も出せない。
「何時の間にこんな所に出入り口を作ったんですか!?い、いやそれより、何で女湯で洗ってるんですか!男湯に行けばいいでしょ!」
「あはははは。男湯には女性客は居ないよ。女湯に入らなきゃねぇ………ワイルドだろぅ!」
「あぁ…ああ言うのか!」
「ちょっとティミー!そんな事を感心してないで、貴方からもリュカさんに言ってやってよ!」
「ん…うん。と、父さん…笛を洗うの、手伝いましょうか?」
「………是非!」
「『是非』じゃねー!お前等、女湯から出て行け!!」
女湯で入浴中だった一般客を守るべく、勇者アルルが全力で邪悪なる者を出て行かせる。
「「ワイルドだろぅ!」」
「いいから出て行け!」
その日の晩は、リュカの部屋で珍しく親子して叱られるリュカとティミー。
尤も、ビアンカの方はヤレヤレという感じなのだが、アルルが猛烈にティミーを叱る。
「何を考えてるのよティミー!最近、父親そっくりになってきたわよ!!」
「い、いや…あの…と、父さんが…」
凄い剣幕で詰め寄られ、かなりタジタジのティミー…
「リュカさんが何だって言うのよ!」
「う、うん…あのね…父さんがね…『女の子は怒った顔も可愛い』って言ったから…ちょっとアルルをからかってみたくなっちゃって…」
「………はぁ?」
思いも寄らないティミーの言い訳に、アルルも言葉が出てこない。
「ホント父さんが言った通りです、女性は怒った顔も可愛いんですね!」
ティミーはアルルの顔を真っ直ぐ見て、真面目な顔で褒めちぎる。
「だろ!泣き顔以外は全部可愛いんだよ。色々見たくなっちゃうよね」
リュカはリュカで
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