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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
15.キメラの産声U
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成度が高い。単体の性能としては世界最高峰のものと考えられる。
 しかし逆に完成度の高さ故に拡張性が低く状況の変化に対して改修することが難しい。そして高価である。



巧side

 西谷さんからキメラズが試験する戦術機の概要を教えてもらった。正直言って帝国が開発していた新型は予想以上のものだった。日米合同演習で戦ったストライクイーグルと比べても圧倒していると言えるだろう。あれから何カ月か経ったが、今でもストライクイーグルの恐怖は覚えている。それを上回る性能を持つ新型。ああ!早く乗ってみたい!
「では以上で新型のレクチャーを終了します。戦術機の詳細については資料で確認してください。もちろん質問してくださっても結構です。私からは以上です。この後のことについては隊長である周防中尉からお願いします。」
 おお、あれがキメラズの隊長か。何というか………雰囲気あるな。まずデカイ。そしてスキンヘッドで頭に生々しい傷跡がある。鼻下には黒々とした髭が生えている。太平洋戦争時の陸軍将官と言った感じ。またはヤ○ザの組長とか。目力が半端じゃない。
「私が特別試験部隊キメラズで実戦の指揮をとる周防だ。貴様らも分かっていると思うがこの部隊に課せられる任務は危険だ。試験機での実戦、しかも後で分かることだがこの部隊は富士教導隊のようなエリート部隊ではなく平均的な能力を持った部隊だ。私は退役間近のロートルで、部第には17歳の新任もいる。実戦が始まれば殉職するものも出るかもしれん。しかし貴様らは死ぬことも許されん。機体にトラブルがあろうと何だろうと生き残り、新型の完成に尽力しなくてはならないのだ。戦場に出てBETAに食われればデータを得ることもままならず、貴様らの給料では一生かかっても取り返せないような高価な試験機を無為に失うことになる。そしてそれはそれだけ新型の実戦配備が遅れるということだ。帝国軍の主力戦術機が撃震から新型に変われば衛士の犠牲は激減し、引いては帝国臣民に降りかかる災厄を祓うことにつながる。各々自らに課せられた使命を自覚を持って任務にあたるように。」
「「「了解!」」」
「ではこれから隊員の個人情報をまとめた資料を配る。すでにそれをもとに暫定的に部隊における配置は決定している。試験の中で配置換えが行われることもあるだろうがな。」
 ふむふむ…隊長の名前は周防将孝か。45歳!?親父と同じぐらいじゃないか!経歴は……おいおい、70年代からBETAと戦っているのか。その後も大陸で戦い続けている。現役最年長の衛士じゃないのか?にも関わらず階級は中尉。
 衛士の階級は早く上がるのが普通だ。訓練を終えて任官すれば少尉。小隊長で中尉、中隊長で大尉というのが相当する階級になる。衛士の数は少ないのでたった12人の隊で隊長をするにも大尉になる。そして衛士の死亡率は高
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