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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
14.キメラの産声T
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インド送りにしてやったのに俺までとばっちりを受けた。何でも言い出した俺がキメラ隊の実戦データを管理することに決まったらしい。こんな糞熱い僻地になんぞ来たくなかったが仕方がない。
 まあこんな場所でも町に出れば酒も飲めるし女も買える。どの程度いるか分らないが個室だし冷房もある。我慢できないほどでもない。
 基地に来ると技術部から派遣された西谷という女がいた。なかなか好みの女だ。こいつをものにできれば女を買う必要もなくなるか。
 そう思って声をかけたが全く靡かない。会話も食事もままならず、イライラしている日々の中、遠田のガキが任官する日になった。
 一応俺は奴の上官にあたり、権限は大尉相当だ。と言っても部隊の指揮はキメラ隊の隊長がとるし、戦術機開発に必要な能力もないためお飾りだが。冷房の利いた部屋で寝ているとノックしてくる音が聞こえてきた。
「(コンコン)本日着任します遠田少尉です。岩崎参与、いらっしゃいますか?」
 どうやら着いたようだな。しかしここで出るのも面倒だ。居留守を使って後でいびるネタにでもするか。
 この糞熱い中一時間程度外で待っていたようだが無視した。遠田が去ったのを確認して外に出る。相変わらず暑くて不快な気分になるが、それを我慢してガキを探す。成り上がり遠田なんぞさっさと基地から追い出してやるさ。
 そして見つけたとき奴は戦術機ハンガーで楽しげに西谷と話していた。
 あの女俺には靡かないくせにあんな糞餓鬼には愛想を振りまきやがる。どいつもこいつ成り上がりの遠田風情に靡きやがって、気にくわねぇ!
「こんなところにいたのかね?遠田巧少尉。上官への着任挨拶に来ないで女とおしゃべりとは良い身分だな。」
 本当は来ていたんだがな。
「はっ、申し訳ありませんでした。一時間ほど前にお部屋に伺ったのですが返事がなかったものでしたので。」
「ふん。言い訳か?私は部屋にいたぞ。時間になっても貴様が来ないから出てきてみれば女と楽しくおしゃべりか。所詮は成り上がりの犬か、礼儀がなっていないな。」
「しかし―」
「もう良い!貴様の言葉など聞く耳持たん。ブリーフィングルームに来い。任務について説明する。」
 は、釈然としないって面だな。良いんだよ貴様は何も分からないで。どうせ此処で死ぬんだ。こんなド田舎に飛ばされたのは業腹だが、直接奴を貶めることができるというのは数少ない娯楽だな。せいぜい楽しませてくれよ、期待の新任少尉殿。

岩崎慎二side out



巧side

うん、状況を整理しよう。俺は任官地であるインドのカルカッタ基地に到着後まず上官にあたる岩崎慎二技術廠参与の部屋を訪ねた。ノックをし在室しているかどうかを確認。返事がなかったので、その場で一時間程度留まって待った。岩崎参与がいないことを確認したのであきら
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