第25話
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のかもしれません。
だから抑えて抑えて。」
初春は白井を何とか静めようとしている。
白井が初春に気をとられている内に麻生は色々聞かれる前に立ち去るか、と考えていたとき腕の裾を引っ張られたので振り向くと佐天と、その同級生が立っていた。
「助けていただいてありがとうございます!」
佐天が深々と頭を下げると同級生も一緒に頭を下げる。
「気にするな。
無能力者狩りが頻繁に行われていたら俺の散歩に支障がでるからな。
だから、それを潰すついでに助けただけだ。」
「でも、麻生さんに電話をかけて私を助けてくれました。
だからお礼を言いたかっただけです。」
もう一度深々と頭を下げる。
そして佐天は麻生に聞いた。
「私も麻生さんみたいに強くなれますか?」
それを聞いた麻生は少しだけ笑いながら言った。
「さぁな。
俺は俺でお前はお前だ。
俺の様になる事は出来ない。
だからお前はお前の強さを手に入れればいい。
佐天涙子だけが持つ強さをな。」
白井が麻生を探す声が聞こえ麻生は早足でその場を去っていく。
しかし、髪は後ろで纏めている女の警備員に捕まってしまい逃走に失敗したようだ。
佐天は麻生の言葉を小さく繰り返す。
「私だけが持つ強さをか・・・・」
「いやぁ〜ルイコが言ったとおりかっこよくて大人な人だね。」
「私、あの人に惚れちゃったかも。」
同級生が冗談ではないような眼差しで連れさらわれて行く麻生を見つめていた。
とりあえずこの場を何とかしなければと佐天は思うのだった
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