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真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双
最早鬱である
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依姫は家から逃げるようにして学校へと向かっていた。
まだ学校なら気晴らしができるかもしれないと思った結果だったのだが、相当気が立っていたのだろう。
普段であれば気づく鈴仙の尾行に一切気がつかなかった。
どことなく、歩調も速くなっていて、たまに足がもつれている時もあった。
そんな彼女の姿は儚くも、虚しくも見えた。
気迫もない。
ただただ亡霊のようであった。
「依姫様・・・・・・・・・・」
鈴仙にとっては心配であり、恐怖の塊でもあった。
はっきり言ってしまえば自分では依姫に勝つことは不可能である。
主人にあたる人物だから勝つわけにはいかない。
ではなくて、圧倒的な強さの下に敗北するのである。
それは自分だけでなくて豊姫さまも負けているから・・・・・。と思ったりはするものの、豊姫さまの方が実力が近い。という事実を思い出して武道師範役である自分の立場を虚しく思えた。もし彼女が暴走したら自分に止める手立てはないというのに・・・・・・・。
本当にこの家系は武道師範役なんていらないと思う。
などと思ってため息をついている間にも、どんどんと依姫は進んでいってしまう。
「いけない、ついていかないと」
教室に入ったあとにバレるかもしれないが、入ってしまえば依姫さまは怒るわけにはいかない。
表向きには友人、なのだから主従関係にあることは伏せなくてはならないからだ。
代々使えてきた私の家系とはいえ、現代社会の法律には勝てない。
私が住み込みで働いているなど言語道断だろう。
「でも、どうすれば・・・・・・」





依姫が学校に入った時から、いいや来る前からそうだったのかもしれないが、学校全体がそわそわしている感じがした。
学校の中心人物でもあった八意美龍、彼が死んでしまったのだから。
さらに言えば、彼の幼馴染であり、恋愛関係でもあると言われていた綿月依姫が登校してきたというのが止めにもなったのかもしれなかった。
ヒソヒソと彼女を流し目で見ながら何かを話し込む者。
何か声をかけようとして、やめる生徒。
そんな人たちがたくさんいた。
「馬鹿みたい・・・・・・」
世界はもはや白黒でしかない。部活に行っても彼はいない。
自分の人生のなかで最も色を持っていたかもしれない人物は既に喪した。家で話題にのぼるのも彼がダントツで多かったし、遊びに来ていたのも彼だった。
みんなはどうせ何も思ってないんだ。
ただ一人すごい人が死んだ、新しい話題の種。その程度のもの・・・・・・・。
あのテレビのコメンテーターだって・・・・・・。
ものすごく、ものすごく。
『殺してやりたい』
『斬り殺したい』
でも、そんなことをしたって彼が帰って来るわけじゃない、かえって殺したあとに虚しさが増すだけ。
今日の授業サボろうかな?
まあいい
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