蛇足・結末に至る過程の話
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立ち上がって外套を羽織ったその人へ、金の髪の女が声をかける。
心配そうに表情を歪める女へと、その人は優しく微笑みかけた。
「いやいや。オレが向かうのはあのぐるぐる仮面の方じゃないよ。我愛羅君とオオノキ君のいる戦場へと向かおうと思ってね」
「……どうして、そこへ?」
訝し気な表情を浮かべた女へと、その人は軽く苦笑で返す。
「状況は確かに連合が有利だけど……相手がこのまま黙って見ていると思うかい? 私が奴らだったらそろそろこれまでの劣勢を覆す様な隠し球を今から投入するね」
そして、と細い指が地図の一点をさす。
「殆ど決着のついている戦場ではなく、まだ盛り返しの効く……ここ。この地点が恐らく……」
「そこには既に影が二人もいます。わざわざ大叔母様が行かれる必要は……」
「まあ、確かにね。でも、つーちゃん」
透き通る様な微笑みを、その人は浮かべる。
それから殊更ゆっくりと、その人は優しい口調で言葉を紡いだ。
「なんでかね。どうしてか私は此処に向かわなければならないと、思うのだよ」
軽く笑って、その人は腰に佩いた刀を軽く撫でる。
「――――さあて、と。これが最後の戦場だ。せいぜい見苦しくない様にしないとね」
好戦的に微笑むと、緑色の輝きを帯びた黒瞳は真っ直ぐに遠くに見える戦場へと向けられた。
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