蛇足・結末に至る過程の話
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ある青少年が悪い影響を受けたらどうしてくれるんだ、この上半身露出男!!」
「ごっふっ!!」
奇妙な紋の描かれた陣の上で、己の腹に鎌を突き立てようとしていた男が吹っ飛ぶ。
顔の反面に火傷を負った木ノ葉の忍びは、目の前で鮮やかな飛び蹴りをしてのけた人物を目撃して呆然と声を漏らした。
「どうして、貴方がここに……?」
「路銀稼ぎに賞金首に関する情報を得ようと思って立ち寄っただけさ。それにしても酷い怪我だな」
翳された掌が緑の優しい光を帯びる。
見る見る内に火傷の傷が癒された忍びは、彼にしては珍しく己の教え子が来るまで身じろぎ一つ出来なかった。
「お。シカマル君じゃないか! ナル君達は元気かい?」
「ああ、まあな……って、どうして初のねーさんが」
「――おい。さっきとんでもない勢いで暁のコートを着た男が吹っ飛んでいったんだが、あんたの仕業か……って、シカマル!?」
「サスケ!? お前、大蛇丸の弟子になったんじゃ!? ナルトが連れ戻せなかったって事でかなり落ち込んでいたぞ」
「あの蛇男の弟子になる前に、私の弟子にしてね。大蛇丸のところにも弟子という形で入ってもらう事で、私の目的の手助けをしてもらっていたんだよ」
「その弟子入りの最終課題に大蛇丸を倒して来い……っていう無茶振りまで押し付けられたけどな」
そう言いながら、無言でこちらを睨みつけている黒地に赤い雲の入ったコートを着た大男へとその人は視線を映す。
そうしてから、首を傾げた。
「可笑しいなぁ……。見覚えが無い筈なのに、どっかで会った事がある様な……」
「奇遇だな、女。オレも貴様の顔には見覚えがある。――そうか、貴様よもや……」
「ん?」
「オレが一番最初に戦った木ノ葉の忍び……初代火影の血縁者だな?」
「ええ、と……まあ、そんな感じです」
だらだらと汗を流すその人へと、大男は敵意に満ちた眼差しを向けた。
小雨が降り注ぐ中、少年は彼にしては珍しく素直な感情を宿した瞳で相手を見つめ返していた。
「あの時、あんたがオレに声をかけてくれなかったらオレは兄さんの言葉を鵜呑みにしたまま、復讐者になっていただろうな。……そういう意味ではあんたには心から感謝している」
「そっか、行くのか」
「……ああ」
雨水の滴る質のいい黒髪をやや乱暴な仕草で人影が撫でる。
幼子にする様な動作だが、少年が嫌がる事は無かった。
「じゃあ行って来い、私の弟子。つくづく不器用なお前の兄さん相手に一発ぶん殴って盛大に文句を言って来てやれ」
「――そうするつもりだ。それで、あんたはどうする?」
「私は木ノ葉に戻ろうと思う。あの蛇男の研究室で見つけた資料が本当なら、旧知の子がかなり厄介な事に首を突っ込んでいる様だしね」
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